金メダリストであるギリシア国王に聖火が採火された東京五輪
映像の世紀プレミアム 第15集「東京 夢と幻想の1964年」(1月3日にNHK BSで放送)を見た。
1964年の東京五輪の前後が東京の様子が発掘映像で描かれている。
聖火リレーも当然出て来る。
東京五輪の聖火リレーは以下のように始まる。
ギリシャ国王コンスタンチノス2世が立ち会う
映像の世紀プレミアムの映像はここで終わるが、聖火は第1走者のマルセロス選手に手渡され、マルセロス選手は聖火台に点火した後走り出した。
この写真のみ共同通信
私が気になったのは、ギリシャ国王コンスタンチノス2世のことだ。
ギリシアでは、1967年4月21日に軍事クーデターが生じ、同年12月にコンスタンチノスは家族を連れてローマに脱出した。
その後も国王不在のまま、形だけの君主制が続いていたが、1973年に軍事政権は君主制を廃止、コンスタンチノスは亡命し、現在もロンドンに住む。
この元国王の凄いところは、五輪金メダリストであること。
東京五輪の4年前、ローマ五輪のヨット・ドラゴン級で金メダルを獲得している。
即位前だったとはいえ、王様の金メダルは五輪史上2例しかない。
「映像の世紀プレミアム」の中に五輪に詳しい人がいなかったのだろう。
残念ながら金メダリストである国王に触れていない。
東京五輪の聖火は、金メダリストの国王の立ち合いのもと採火された唯一の聖火である。
ちなみに、もう一人金メダルを獲った国王とは、ノルウェーの前国王、オーラヴ5世。
まだ皇太子だった1928年のアムステルダム五輪でセーリング(ヨット)6メートル級で金メダルを獲っている。
この場合は、4人のノルウェーチームでの金メダルであり、個人種目で金メダルを獲ったのはコンスタンチノス2世が唯一となる。