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March 12, 2021

東京オリンピックは開催されるのか?引き受け手のないオリンピック

IOCのバッハ会長は10日、東京五輪が7月に開幕することは「疑いようがない」と明言した。
このバッハ会長の言葉は驚きを持って迎えられた。

 一方、対立候補なしに行われたIOC会長選、バッハ氏は94人中93人に支持され、その任期は2025年までとなった。

東京五輪はコロナ禍で中止になる可能性がある。
8割の日本人が、今年の開催を望んでいない。
今後も感染症で中止になる可能性のある五輪に、手を挙げて開催してくれる都市、あるいは協賛してくれる企業は減っていくかもしれない。
バッハ氏は、その強い危機感を持つからこそ、逆に「疑いようがない」と言っているのではないか。
そしてIOC委員は、だから、バッハ氏を支持し、手腕に期待しているのだ。

2024年夏季五輪に立候補したのはパリ、ロサンゼルス、ブダペストの3都市。
ところがブダペストが途中で辞退。パリとロスの一騎打ちになった。
2028年に立候補する都市がなくなることを危惧したIOCは24年招致に敗れた都市に28年大会の開催をお願いする形で 

2024年 パリ

2028年 ロサンゼルス

の開催が同時に決まった。
パリもロサンゼルスも新たに作る競技施設はない。ここが最大のポイントだ。

そして、2032年大会は、ブリスベンに優先権を与え事実上開催が決まっていると見られている。

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近年最も多くの都市が開催に手を挙げたのが2004年大会。
アテネで開かれた大会だが、11都市が立候補した。

IOC総会での投票までいったのは下記の5都市

アテネ(ギリシャ)開催都市
ローマ(イタリア)
ケープタウン(南アフリカ)
ストックホルム(スウェーデン)
ブエノスアイレス(アルゼンチン)

上記以外にも書類選考で6都市が落選している。

イスタンブール(トルコ)
リール(フランス)
リオデジャネイロ(ブラジル)
サンクトペテルブルグ(ロシア)
サンファン(プエルトリコ)
セビリア(スペイン)

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こんなにも多くの都市が立候補していたのに、なぜ急激にその数が減ってしまったのか。

転機になったのは149億ドルの経費がかかったロンドン五輪と219億ドルかかったソチ冬季五輪。
東京は関連事業も含めて3兆円(281億ドル)かかるといわれている。
東京は招致の段階で、大会にかかる予算総額を7300億円、組織委員会の予算を3400億円としていた。

東京大会の状況を見ていて感じるのは、どんなに大金をかけて準備をしても、中止になる可能性は否定できないということ。
東京招致の決まった2013年に、原発事故の処理や、暑さを気にする人はあったが、まさか感染症に脅かされることになるとは思ってもみなかっただろう。

1980年代、近代五輪は存続の危機にあった。
768084年とボイコットの応酬に遭い、片肺の大会が続いたのだ。

1980年代、五輪は嫌われ者だったといってもいいだろう。
開催したいと手を挙げる都市はなく、開催すれば莫大な赤字が残った。
1976年以降1988年までの夏季五輪に立候補した都市はこれしかない。

1976年 モントリオール モスクワ ロサンゼルス
1980年 モスクワ ロサンゼルス
1984年 ロサンゼルス
1988年 ソウル 名古屋

1976年大会に立候補した3都市が、順番に1984年まで開催しているのだ。

1984年大会に立候補した都市はロサンゼルスのみ。
莫大な赤字を背負ったモントリオールの記憶が新しく、他に立候補を表明する都市はなかった。
アメリカ連邦政府、カリフォルニア州政府はビタ一文税金を使わないのなら、開催してもいいよとロサンゼルス市に通告した上での立候補だった。
この大会が、今日でも踏襲される商業五輪の原型となるのだが、30年以上経って五輪招致をめぐる状況は似てきている。

テレビ放映権は確かに莫大だが、大会経費も80年代とは比べものにならないくらい大きくなっている。

 

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