正式種目として成立し損ねる可能性があった東京五輪 “東洋の魔女” の女子バレー
1964年の東京五輪で"東洋の魔女"と呼ばれた全日本女子チームが、宿敵ソ連を3対0でくだし、初代金メダリストになったことは多くの人が知っていると思う。
日本対ソ連のバレーボール決勝戦の視聴率は2002年のW杯サッカーを凌ぐ歴代1位の66.8%で、NHK・民放合わせると85%に達したとも言われている。
東洋の魔女の金メダルにはこんな裏話がある。
東京五輪開幕間近になり、北朝鮮の大会ボイコットが決まった。
五輪球技は、正式種目として成立するには「6ヶ国以上の出場」という規定がある。
当初、女子バレーに出場を予定していたのは、日本、ソビエト、ポーランド、ルーマニア、アメリカに北朝鮮。
ところが、北朝鮮は開会式の前日の10月9日になり不参加を表明し帰国。正式種目の規定が満たせなくなった。
東京五輪組織委員会は、韓国に100万円を送り、急遽出場をお願いした。
当時、バレーボールは東京五輪に限って正式種目として実施することになっており、日本女子が金メダルを獲れる唯一の種目を何としても実施したかったのだ。
事実、東京五輪以前に日本の女子選手が獲得した金メダルは、1936年ベルリン五輪200m平泳ぎの前畑秀子さんが唯一であり、地元開催で2個目の金メダルが欲しかったのだ。
そして急遽来日し、準備不足だった韓国バレーチームは全敗している。
当時 女子の球技は、世界的にみても、バレーボール以外もほとんど普及していなかった。
バスケットボール、ハンドボールも女子は実施されておらず、ホッケー、サッカー、水球の女子の採用はほんの最近なのだ。
●東京五輪女子バレー最終順位
1.日本
2.ソビエト
3.ポーランド
4.ルーマニア
5.アメリカ
6.韓国
●球技の五輪初実施大会
サッカー男子 1900年
サッカー女子 1996年
水球男子 1900年
水球女子 2000年
バスケットボール男子 1904年
バスケットボール女子 1976年
ホッケー男子 1908年
ホッケー女子 1980年
ハンドボール男子 1936年
ハンドボール女子 1976年
バレーボール男子 1964年
バレーボール女子 1964年
野球 1992年~2008,20年
ソフトボール 1996年~2008,20年