スポーツマフィアに食いつく中国 ANTAのジャケットを着るIOCバッハ会長
下記の画像は20年前の長野五輪の閉会式の模様だ。
サマランチIOC会長(当時・故人)の着ているジャケットの胸には「MIZUNO」のロゴが見える。
ミズノは1995年から2012年までIOCの公式サプライヤーを務めた。
そのため、主に冬季五輪においてIOC委員に防寒のジャケットが必要な際は、必ずミズノのジャケットが用いられた。
東京の2020年の夏季五輪の招致運動中に、招致委員会の中に、活動の中核を担うNPO法人格の理事会を発足させた。
竹田恒和JOC会長が理事長に、事務総長をミズノの会長だった水野正人氏が務めることになった。
このとき、ミズノとIOCの関係が余りに密であったため、敢えて水野正人氏は、ミズノの会長を退任、ミズノもIOCの公式サプライヤーの座を降りることになった。
ご承知の通り、2013年9月のブエノスアイレスのIOC総会で、東京がイスタンブールとマドリードを破り、2020年五輪招致を決めたが、水野正人氏は五輪招致成功の〝陰の立て役者〟と言われている。
▲2010年バンクーバー五輪のロゲ会長 MIZUNOを着ている。
一方、ミズノが退いたあとの公式サプライヤーは2013~2016年までNIKEが務めた。
画像はソチ五輪のバッハ会長。
2018年2月、平昌五輪の開会式で、バッハ会長。
見慣れないロゴのジャケットを着ている。
よく見ると、ANTAとある。
ANTA(安踏)は1991年に創業された中国のスポーツウエアメーカーだ。
中国のスポーツウエアメーカーといえば李寧(Lining)や361°などが知られているが、このブランドのことはあまり知られていない。
が、売り上げ規模でNike、adidasに次いで世界3位にあると言う。
平昌五輪では、次の冬季五輪開催国ながら、ほとんど存在感を示せなかった中国。
だが、裏方ではしっかりと世界のスポーツマフィアに食い込んでいたということらしい。
2019年にIOCと公式サプライヤーの契約をし、2022年まで続くと言う。
一方、世界35か国200団体が支援する世界最大のウイグル人権支援団体が、新疆綿を使用し続けると宣言したANTAの北京五輪公式ウェアについて強制労働の関与が無かったか、IOCへ調査依頼をした。
これに対して、バッハ会長率いるIOCは「強制労働は無かった」と回答。
この言葉を信じる人がどれだけいるのだろうか。