バンクーバー五輪への道

March 09, 2011

日本勢はメダルなし 世界ノルディック

3月6日に閉幕した世界ノルディックスキー選手権で、日本は昨年のバンクーバー五輪と同様、2005年以来のメダルなしに終わった。
個人種目の入賞もわずかに二つだけ。
優勝争いに加わった種目も皆無だった。

2009年のリベレツ大会では複合団体で金、ジャンプ団体で銅を獲ったが、今回は両種目ともにジャンプで欧州の強豪国から大きく離され、上位進出を阻まれた。
これに対して読売新聞

ジャンプの聖地ホルメンコーレンの台は昨季改装して生まれ変わった。踏み切る直前の曲線がより緩やかになったのが特徴で、ジャンパーは重力を感じにくく、踏み切るタイミングが難しい。国内にはないタイプの台ということだ。新しいタイプのジャンプ台に適応しきれなかった。

朝日新聞
追い風では飛距離を伸ばせない技術的な問題に加え、特徴の異なるジャンプ台にスムーズに対応できない弱点を露呈した。斉藤智治ジャンプ部長は「追い風にも対応できるよう力強い踏み切りができないと。ここ数年抱えている問題だ」

のように解説している。
朝日の記事に補足するならば、今季からジャンプは「ウィンドファクター」という制度が導入された。
これは風向きによる有利・不利の不公平感を補正するもので、向かい風は減点、追い風は加点されるもの。
今までは追い風の中飛ぶことは不利だったが、今後は加点が得られる追い風の中で、ある程度の距離が出せるならば、高い得点が得られる。そのためには力強い踏切が必要なのだが、日本人選手はできていないということ。

ノルディック競技は、北欧が盛んであり強く、彼等が有利になるようルール改正がされてきた競技である。
長野五輪の前後の世界選手権では、日本選手が複合やジャンプで活躍し、3個の金メダルを獲った大会もある。そのときは随分と溜飲を下げたものだが、時代は大きく変わった。


Nordic1
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February 28, 2011

ノルディック複合個人NH 渡部暁斗が5位入賞

ノルウェーのオスロで世界ノルディック選手権が始まっている。
2年に1度奇数年に開催されるノルディックスキー世界一を決める大会だ。
昨年のバンクーバー五輪では日本のスキー勢は振るわず、メディアに取り上げられる回数もスケートに押され気味だったが、やはり自分はウィンタースポーツはメインがスキーであると思う。

26日にはノルディック複合のNH個人が行われ、早稲田の渡部暁斗がジャンプで13位からクロスカントリーで順位を挙げ、5位に入賞した。
私自身が始めてノルディック複合という競技を見たのは、1972年の札幌五輪だ。
当時小学校に入学したばかりだったが、その内容はよく覚えている。
このとき、中野秀樹という早稲田の選手がいた。
中野は、初日のジャンプ(当時の70m級=NH)を出場全選手中1位で折り返すも、翌日のクロスカントリーでは参加39選手中の最下位の39位。
ジャンプでは圧倒的に2位以下を引き離していたにも関わらず、どんどん後続に抜かれ、あっという間に最下位。
総合13位に留まった。
当時の日本の第一人者 勝呂裕司が5位に入り、ノルディック複合で初の入賞となるのだが、私にとってはこの中野選手の方が印象に残ったことを覚えている。

5位の勝呂裕司は札幌五輪の2年前のホーエタトラで行われた世界ノルディックで8位に入っており、札幌の5位は決して偶然ではない。
恐らくは札幌五輪に向けて多くの強化費が掛けられていたのだろう。
ところが、勝呂からさらに8年前の1962年にザコパネで行われた世界ノルディックでは、江遠要甫が10位に入るという快挙を成し遂げている。

1925年から始まった世界ノルディックの、複合個人でメダルを獲った日本人選手は、荻原健司だけだ。
五輪銀メダリスト(1994リレハンメル)の河野孝典も世界選手権は5位が最高、渡部暁斗の今回の5位はこれに並ぶ好成績ということになる。

Nordic2011


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February 21, 2011

湯浅直樹53年ぶりのアルペン回転入賞

ドイツのガルミッシュパルテンキルヘンで行われていたアルペンスキーの世界選手権最終日の20日、男子回転が行われ、トリノ五輪同種目7位の湯浅直樹が2本合計タイム1分42秒68で6位に入賞した。
湯浅は1回目で9位につけ、2回目でさらに順位を上げた。
これまでの世界アルペンで日本勢は、猪谷千春が1958年大会で銅メダルを含む3種目で入賞を果たしているが、湯浅は53年ぶりの入賞、1978年大会の海和俊宏の回転7位、1993年大会の木村公宣の複合8位をも上回った。

昨夜は、NHKBSで行われた男子回転の放送を楽しみにして、結果がわからないようにネットにも触れないようにしていたが、その甲斐があった。
よく覚えている33年前の海和俊宏の7位と、場所も同じガルミッシュ・パルテンキルヘン。
バンクーバー五輪は、代表漏れした湯浅がやりそうな気がしてずっと楽しみにしていたのだ。

●世界アルペン 日本人の一桁順位
1958年 バートガスタイン 回転 猪谷千春 3位
1958年 バートガスタイン 複合 猪谷千春 4位
1958年 バートガスタイン 大回転 猪谷千春 6位
1974年 サンモリッツ 複合 南雲美津代 9位
1978年 ガルミッシュ・パルテンキルヘン 回転 海和俊宏 7位
1989年 ヴェイル 滑降 川端絵美 5位
1991年 ザールバッハ・ヒンターゲルム 複合 川端絵美 8位
1993年 盛岡雫石 複合 木村公宣 8位
2011年 ガルミッシュ・パルテンキルヘン 回転 湯浅直樹 6位

●冬季五輪 日本人の一桁順位
1956年 コルチナ・ダンペッツオ 回転 猪谷千春 2位
2006年 トリノ 回転 皆川賢太郎 4位
2006年 トリノ 回転 湯浅直樹 7位

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February 15, 2011

世界アルペン 1978年 ガルミッシュ・パルテンキルヘン

ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンで世界アルペン選手権が開催中だ。
ガルミッシュ・パルテンキルヘンといえば1936年の冬季五輪の開催地として知られる街だが、ミュンヘンが立候補している2018年の冬季五輪の、スキー競技はここで行う計画だ。

年末年始にドイツとオーストリアで行われるジャンプ週間の一つの
舞台でもある。
文字通り世界的なスキーのメッカであり、1978年にも世界アルペンを開催したことがある。

この当時のスキー界にはインゲマル・ステンマルクというスキー史上に残る怪物がいた。
五輪で獲った金メダルは2つながら、W杯で挙げた勝利は86の歴代一位。
史上最強の天才スラローマーとも言われた。
このステンマルクに「技術的に世界で一番怖い」といわれた日本人がいた。
その男が海和俊宏だ。

IOC副会長も務めた猪谷千春氏が、1956年五輪回転で2位、1958年世界アルペン回転で3位になった後、20年間世界に通用する日本人スキーヤーは出なかった。
海和は、世界アルペン直前のW杯で当時日本人最高の5位に入り、初の第1シード入りし迎えた世界アルペンだった。
メダルも、という期待もあったが7位。(入賞は6位まで)
その時の順位表を見ていただきたい。
上位8選手の内5人が五輪メダリストだ。
大健闘であった。
事実、五輪、世界選手権のアルペン競技で海和の7位を上回るのは2006年トリノ五輪回転の皆川賢太郎の4位まで待つことになる。

Gap1978


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February 04, 2011

ジャンプ団体日本優勝

カザフスタンで開催中の冬季アジア大会第4日、スキー・ジャンプの団体(HS140m、K点125m)に船木和喜、佐々木悠兵、渡瀬雄太、吉岡和也で臨んだ日本が合計837・6点で優勝した。
実はこれが、冬季アジア大会史上日本の初優勝となる。

アジアの中でもジャンプを行っている国は、僅かしかない。
そのため、7回を数える冬季アジア大会でジャンプ団体が行われるのは2003年の青森大会以来2回目だ。
今回も青森のときも葛西紀明や伊東大貴などのトップ選手は、欧州連戦中であり、国内2番手の選手で臨んでいる。
長野五輪金メダリストの船木和喜、北照高校・デサントで船木の後輩だった吉岡和也と渡瀬雄太は、8年前も今回もメンバーに名を連ねている。
一方、8年前には日本を敗り優勝し、今回は3位になった韓国は4人が全て同じメンバー。
しかもその内の3人は、今から13年前になる長野五輪(13位=最下位)のメンバーでもある。


日本チーム
○船木和喜35歳、佐々木悠兵23歳、渡瀬雄太28歳、○吉岡和也32歳
韓国チーム
○崔興喆29歳、カン・チルグ26歳、○崔鎔直29歳、○金鉉起30歳
*○は長野五輪代表選手 但し吉岡は出番がなかった。

2011winasi

追記 ジャンプNHの金メダルはカザフスタンの選手でした。
2011asiajump

●参考記事
世界ノルディック ジャンプ代表決まる


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January 19, 2011

世界ノルディック ジャンプ代表決まる

全日本スキー連盟(SAJ)は、世界ノルディック選手権(2月22日~3月6日、オスロ)のジャンプの代表選手を発表した。
大ベテランの葛西紀明は、日本選手最多となる11度目の出場。
昨年のバンクーバー五輪日本選手団主将で今季W杯に出場していない岡部孝信や、今季国内で2勝し復活を賭けていた船木和喜は外れた。

世界ノルディックは2年おきに奇数年に開催されている。
今回11回目の出場となった葛西紀明が、初めて参加したのは1989年のラハティ大会。
当時東海大四高の1年生16歳だった。
長年に渡って日本のトップ選手でありながら、長野五輪の団体優勝メンバーでないため、一般の方に強烈な印象は残していないのが残念なところだ。

一方船木は、1月15日の札幌大倉山でのW杯で16位に入り、2003年以来の代表入りもあり得るかと思ったが、漏れてしまった。
1月30日から始まる冬季アジア大会(カザフスタン)の日本選手団主将に選ばれており(旗手は小平奈緒)、2003年青森アジア大会以来の金メダルを目指すことになった。

下記に長野五輪以降の世界ノルディック・ジャンプの日本代表選手を記しておく。
太字が長野五輪団体金メダルメンバー。
開催地は1999年ラムソー、2001年ラハティ、2003年ヴァル・ディ・フィエンメ、2005年オーベルストドルフ、2007年札幌、2009年リベレツ、2011年オスロ。

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July 05, 2010

小野学さん逝く

小野学さんが亡くなった。

小野さんといえば、長野五輪のスキー・ジャンプチームの監督を務められた方だ。
長野高校、慶応大学卒という異色の経歴、英語も堪能。
FISの技術委員も務めていた。
バンクーバー五輪では、テレビの解説をされていたのでただびっくりしている。

ご冥福をお祈りいたします。

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March 30, 2010

女子フィギュアに得点操作は行われているのか?

先週末に行われた世界フィギュアスケート選手権。
五輪後わずかひと月後の試合だったため、モチベーションの維持やコンディション作りに失敗した選手も目立った。
そんな中、日本勢は男子の高橋大輔、女子の浅田真央と、どちらも金メダルを獲得した。

とはいうものの、優勝した浅田真央のFSの得点が、銀メダルの金姸児に及ばないという不可解な現象が起きた。
ご存知のように浅田は、2回目のトリプルアクセルが回転不足とされた以外は完璧。
対する金姸児は、転倒、抜けの二つの大きなミスがあった。
それにも関わらず、浅田を上回る高得点がなぜか出たのだろうか。

FSの得点が出て、FSでは金姸児の得点を超えないとわかったときの浅田の表情をご覧になっただろうか?
あの表情が全てを物語っている。
この1年以上言われ続けている噂は恐らく本当だろう。

「金姸児に有利に得点が操作されている」


フィギュアスケート界において、ときどき不正が発覚する。
今から8年前、ソルトレークシティー五輪の際にもフィギュア界に激震が走った。
ペアにおいて、競技前から順位が既に決まっていた、という事実が曝露されたのだ。

「談合」とでもいうべきだろうか。
この当時ペアは、ロシア組とフランス組の力が拮抗し、アイスダンスはフランス組とカナダ組の力が拮抗していた。
そこでフランスの審判が、ペアで、ロシア組に1位票を入れる代わりに、アイスダンスでは、フランス組を1位にする約束があったという。

Pair2002
この当時は、現在と異なり順位点で席次が決まる。
フランスの審判が、ロシアペアが1位になるような点数を付け、金メダルはロシアペアに渡るも、フランス人審判氏は、良心の呵責に耐え切れず、この件を暴露したといわれている。


この当時はっきり判ったことは
・審判は自国のスケート連盟(この場合はフランス)の意向には背けない」、そして自国選手を「擁護」できるような、連盟に忠実な審判だけが、五輪に派遣される審判委員会メンバーに選抜される
・選手は、アマチュア時代に五輪で上位に入賞しなければ、プロ転向しても巨額の契約金を手にできない

これに対しIOCはどのようにこの問題を収集しようとしたのか?
ロシアペアと並んでカナダのペアにも金メダルを贈ることで一切の幕を引こうとしたのだ。

この異例とも言える2組の金メダルの背景には、アメリカとカナダのマスコミの正論の展開があった。
IOC会長のロゲは、ISU会長のチンクワンタに政治的配慮を求めるため、書簡を公開で送り、早期の問題解決を要請した。
ロゲの意図は、疑惑騒動による五輪運動へのダメージを出来る限り小さくすること。
フィギュスケートはアメリカにおいて、冬季五輪だけでなく夏季も含めた五輪で最も視聴率が高いとされる、いわばドル箱である。
米NBCテレビの支払う放映権料が五輪を支えている以上、そのNBCから「カナダペアにも金メダルを!」と声高に言われれば、IOCは断ることは出来ない。
このスキャンダルを経て、ISUはフィギュアスケートの採点方法を変更した。
SP、FSの得点の合計で順位をつけることになった。
最大9人の審判が、採点をするがその内2名の審判の得点は反映されないダミーとなる。

では、これでソルトレークのような不正は、現在はなくなっているのか?
関係者の中には変わっていないと断言するも者もいる。
自国選手を「擁護」できるような、連盟に忠実な審判だけが、五輪に派遣される審判委員会メンバーに選抜されるシステムは、変わっていないからだ。

五輪で女子の審判を勤めた韓国人のイ・ジヒ氏が五輪中に「キムヨナが不利益を生じないよう努力する」と言ったと韓国紙が伝えたが、これが事実ならば特定の選手のために努力する審判には、審判の資格はない。
そして、審判氏名の公表は必要だろう。 


●参考記事
韓国の描く 金妍児金メダル~平昌五輪招致のシナリオ




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March 23, 2010

強化指定選手って一体いくらもらえるの?

先のバンクーバー五輪で、日本選手団は銀銅合わせて5個のメダルを獲得したものの、今大会躍進した中国・韓国と比べ、その環境はあまりにお粗末であると各メディアで話題になった。

JOCの選手強化費用は年間僅かに25億円にすぎず、

ドイツ274億円
米国 165億円
英国 120億円
中国 120億円
韓国 106億円

と、諸外国とは相当な開きがある。(数字はいずれも北京五輪に向けての強化費)
特にバンクーバーで躍進した韓国は、この1年に597億円を注ぎ込んだという説もある。

これに加えて、昨年暮れの政府の行政刷新会議による事業仕分けにより、平成22年度に文部科学省からJOCに降りる予算は25億8800万円と、21年度よりも1億2600円も下がることになった。

ところが、バンクーバー五輪閉幕直後 文部科学省のHPにこんな内容の文章がアップされたことをご存知だろうか。


平成22年度予算案における国際競技力向上関係の予算
(前略)スポーツ振興に関し、来年度のスポーツ予算が、事業仕分けの評価結果等を踏まえ、減らされたのではないかと懸念する声がありますが、事実関係は以下のとおりですので、ご説明します。まず、スポーツ関連予算全体ですが、来年度予算案では、過去最高となる227億円を計上しています。
また、国際競技力向上関係予算については、前年度20%(27億円)増の163億円を計上しています。(後略)

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▲文科省のHPより

図入りで説明が書かれているのだが、JOCへの補助金は、確かに1億円以上落ちている。
ところが、平成22年度に五輪でのメダルが有望な競技・種目を重点的に支援するという「チームニッポンマルチサポート事業」に18億8000万円の予算が取られている。
この事業の21年度の予算額は3億800万円だったから、来年度は実に6倍強の予算が付いたことになる。
また、同様に「次世代アスリート特別強化推進事業」に5億2700万円、「ジュニアアスリート支援プログラム」に2100万円の予算が取られ、これらの合計である「競技力向上ナショナルプロジェクト」全体で24億1200万円の予算が計上されているのだ。
選手強化関連予算は、単純にJOCへの助成金と合わせて約50億円となる。

そして、メダル獲得が有力な種目について海外の情報収集や医科学・栄養学の活用、トレーニング方法の開発など総合的に支援するマルチ・サポート事業については、対象を今年度の8競技から17競技に拡大し、支援を強化するとある。

事業仕分けが話題になっていた頃、あるいは苦戦したバンクーバー五輪の開催中に、日本のスポーツ予算がこんなに増えるとは思わなかった。

が、実際には、2009年末にはこの概要は大きく報道されていたのだ。

敢えてこのようにしているとまでは思わないが、スポーツ予算はわざと判りにくくしているのでは、と勘ぐりたくなる。

「事業仕分け」でも指摘されていたが、スポーツに対する財源が、国庫補助金、スポーツ振興基金、スポーツ振興くじ(toto)と3つあることが問題を判りにくくさせている。

例えば、JOCは各五輪競技に対し

毎月20万円支給する エリートA 
毎月10万円支給する エリートB 
毎月5万円支給する エリートユース

といった選手強化制度を作った。
これはスポーツ振興基金をその原資としている。
簡単にいうならば、エリートAに指定された選手には毎月20万円、エリートBには毎月10万円、ユースには毎月5万円の補助が支給されるというものだ。(さらにコーチ等にも補助が出る)

その一方で、各競技団体ごとにも、同じように強化指定選手が指定されているのだ。

例えば全日本スキー連盟(SAJ)スキー・ジャンプの場合

栃本翔平
岡部孝信
葛西紀明
伊東大貴

の今回の五輪代表だった5選手の内、4人の選手がJOCによりエリートAに指定されている。
(SAJではほかにAはスノーボードの選手が3名のみ、エリートBはひとりもいない)
この4名の選手に支給されるのは
それぞれ20万円×12ヶ月=240万円

一方、SAJのHPを見ると
ジャンプの場合、強化選手Aとして上記4人の選手のほかに
湯本史寿
渡瀬あゆみ
の2名が加えた6名の選手の名前がある。

さらに
強化選手B 19名
強化選手C 5名
ジュニアA 12名
ジュニアB 4名

の選手も指定されている。

SAJのHPによるとジャンプ強化事業支出は年間約5200万円

この金額から推測すると

強化選手A 毎月20万円
強化選手B 毎月10万円
強化選手C 毎月5万円
ジュニアA 1年間80万円
ジュニアB 1年間に40万円

といったの強化費が支給されているようだ(筆者による推測)。

すると、栃本翔平、岡部孝信、葛西紀明、伊東大貴の4選手はJOCとSAJと合わせて年間480万円の強化費を手にしている。
もちろん、所属の雪印や土屋ホームからの給与、さらにW杯のポイントによる賞金もあるので、年収はもっと多くなる。

ところが、JOCによるエリートA、エリートBは3か月ごとに見直されており、現在、いったい誰が指定されているかよく判らない。
JOCのHPに出ている一覧は2009年1月1日現在だ。
これでは1年以上も前の情報でしかないではないか。


3月16日こういったニュースが流れた。

日本陸連は16日の理事会で4月からの強化選手格付けを見直し、2004年アテネ五輪女子マラソン金メダリスト、野口みずきが最高のS指定から外れてA指定となった。
現在のS指定は昨年8月の世界選手権で銀メダルの女子マラソンの尾崎好美、銅メダルの男子やり投げの村上幸史、男子ハンマー投げの室伏広治の計3人。

陸上競技では
Sランク:300万円
Aランク:200万円
Bランク:150万円
Cランク:60万円

の強化費が日本陸連から各選手に支給されている。
しかし、Aランク以下の選手に誰が該当しているのか、陸連のHPのどこを見ても書いていない。

一方、陸上にもJOC指定のエリートA・Bの選手がいる。
いったい誰か?
北京五輪400mリレー銅メダルを獲った4人の内、活動中の塚原直貴と髙平慎士がエリートA、競歩の山崎勇喜がエリートBであることは、検索すれば出てきており、指定されていることはほぼ間違いない。

ところが、JOCのHPにはエリートAとして末続慎吾の名前が出てくるのだ。
が、ご存知のように末続は現在休養中で、強化指定から外れている。
このことは新聞等でも報道されている。
そして、塚原、高平、山崎の他にも指定されている選手がいるかどうかは判らない。

スポーツ界は情報公開がずいぶんと遅れているようだ。

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March 19, 2010

これはひどい 韓国聯合通信 日本アイススレッジホッケー 決勝進出の記事

3月20日追記

アイススレッジホッケーを始めとするパラリンピックの日本の活躍について韓国の代表的通信社「聯合通信」は、こんな記事を配信している。

この記事はひどすぎないか。

한국 선수단 관계자는 "일본이 비장애인 동계올림픽에서 이렇다할 성적을 내지 못한 뒤 패럴림픽에 과감한 투자를 한 것으로 알고 있다"고 말했다.

韓国選手団関係者は"日本が非障害者冬季オリンピックでこれという成績を出すことができなかった後,パラリンピックに果敢な投資をしたと理解している"と話した。

http://news.mk.co.kr/se/view.php?sc=30000024&cm=%EB%A0%88%EC%A0%80%C2%B7%EC%8A%A4%ED%8F%AC%EC%B8%A0%20%EC%A3%BC%EC%9A%94%EA%B8%B0%EC%82%AC&year=2010&no=139275&selFlag=sc&relatedcode=&wonNo=&sID=507

聯合通信といえば、日本でいえば共同通信のようなメディアだ。
筆者は、平昌の2回目の冬季五輪招致失敗の際には、こういった記事も書いている。

ソチが平昌敗る 2014年冬季五輪 聨合通信は相手に対する敬意がなさすぎでは?


バンクーバーパラリンピック アイススレッジホッケーは準決勝の2試合が行われ、第一試合は、予選グループA2位の日本と、グループB1位のカナダが対戦した。
日本は先制点を挙げられたが、第2ピリオドに同点に追いつき、最終ピリオドに追加点を挙げ、試合終了16秒前には1点を追加し、3-1でカナダを破り、史上初の決勝進
出と銀メダル以上が決まった。

男子・女子のアイスホッケーに続いて金メダルを目指していたカナダを下した日本は、決勝でノルウェーに3-0で勝利したアメリカと対戦。
アメリカはこの大会失点ゼロ。
日本との予選リーグでの試合も6-0と圧勝している


決勝 日本対アメリカ の予定
3月20日(土)12:00-14:00 (日本時間21日04:00-06:00)
NHK総合テレビ生中継

●大会公式サイト


●過去のパラリンピック・アイススレッジホッケーの順位
2006年
①カナダ②ノルウェー③アメリカ④ドイツ⑤日本⑥スウェーデン⑦イギリス⑧イタリア
2002年
①アメリカ②ノルウェー③スウェーデン④カナダ⑤エストニア⑥日本
1998年
①ノルウェー②カナダ③スウェーデン 日本の順位は不明
1994年
①スウェーデン②ノルウェー③カナダ 日本は不出場



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