アテネオリンピック

October 19, 2004

アテネ五輪 テレビ視聴者は史上最高

国際オリンピック委員会(IOC)は12日、アテネ五輪のテレビ視聴者数が全世界で39億人に上り、前回シドニー五輪の36億人を超えて史上最多だったと発表した。IOCの依頼でスポーツ・マーケティング・サーベイ(SMS)が調査した。

IOCによると、大会期間中の総放送時間は前回の2万9600時間から過去最高の3万5千時間に増え、延べ視聴者は400億人を数えた。地域別の1人当たりの平均視聴時間では、メダルラッシュに沸いた日本が29時間の驚異的な数字を記録したとしている。世界平均は12時間で欧州平均でも14時間だった。(AP)


アテネ五輪番組の35,000時間は、バルセロナ五輪の20,000時間アトランタ五輪の25,000時間シドニー五輪の29,600時間を27%も上回るこちらも史上最高の放送時間だった。

地域別ではアジアと中南米で顕著な伸びが見られ、08年北京五輪を開催する中国、好成績に沸いた日本などで好調だったとまとめている。

ヨーロッパ
シドニー五輪の時と比べても、同じ欧州であり、見やすかったのだろう。3億5000万人のヨーロッパ人が平均14時間視聴した。これはシドニー五輪と比べて50%増になる。

アメリカ
アメリカ以外で開催された五輪としては最高の、シドニー五輪を14%上回る2億300万人がアテネ五輪を視聴した。

日本
シドニー五輪の2倍に当たる700時間以上の五輪放送があり、金メダル争いで4年前から10ランクも上がり5位になり、個々の日本人は29時間もの五輪放送を視聴した。

中国
史上最高のメダル争いを演じ、延べ90億人が8時間の五輪中継を見た。

ブラジル
1億6000万人の人が4.5時間の五輪放送を見た。
2000万人が男子バレーボールの決勝にチャンネルを合わせ、占拠率は70%に達した。

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September 01, 2004

オリンピック4連覇

Q.オリンピック4連覇を果たした選手はまだいない。

1.○
2.×

柔道の野村忠宏選手が五輪3連覇を果たしたが、同一種目での五輪連覇は幾つが最高であるか、ご存知だろうか。
答えは4連覇である。3連覇で8年、4連覇なら12年の年月が必要になる。
4連覇を達成したのはたったの二人。陸上円盤投げのアルフレッド・オーター(アメリカ)と陸上走り幅跳びのカール・ルイス(アメリカ)である。

3人目の4連覇に挑む選手はときどき現れる。
例えば、シドニー大会レスリンググレコローマン130㌔級に出場したアレキサンドル・カレリン(ロシア)。霊長類最強のニックネームを持っていたカレリンだったが、決勝でアメリカのガードナーにまさかの敗退。4連覇の難しさを見せつけられた。

アテネ大会でも二人が4連覇に挑んだ。
一人は陸上やり投げのヤン・ゼレズニー(チェコ)。チェコスロバキア代表として五輪デビューした1988年のソウル大会では銀メダルに終わったが、その間、チェコスロバキアは、チェコとスロバキアに分裂するも92年バルセロナ、96年アトランタ、00年シドニーと王座を守りつづけてきた。
そして37歳になった今大会、決勝に残るも4投目以降に進む8人には残れず、9位に終わった。もう五輪や世界選手権には出る気はないが、小さなローカルの大会には出たいと話している。そういえばアトランタ大会の直後には、アトランタブレーブスの入団テストを受けたなんて話もあったが、野球のルールが難しすぎて断念したはずだ。ご苦労さま。

●やり投げ ヤン・ゼレズニー
1988年 ソウル大会 
銀 84.12m 

1992年 バルセロナ大会
金 89.66m

1996年 アトランタ大会
金 88.16m

2000年 シドニー大会
金 90。17m

2004年 アテネ大会
9位 80.59m

もう一人は地元ギリシャの選手団旗手も務めた重量挙げ85㌔級のピロス・ディマス32歳。
4連覇を狙った最後の試技で207.5㌔に失敗し、銅メダルに終わると、シューズを脱ぎ手を振って立ち去った。この意味を察したギリシャの観客全員が立ち上がり、国旗を振って拍手と歓声を上げた。
もともとはアルバニアのギリシャ系移民の出身。1990年にギリシャ重量挙げ連盟会長の要請を受けてギリシャへ。92年のバルセロナ大会では88年振りの重量挙げの金メダルをギリシャにもたらした。

●重量挙げ 85㌔級 ピロス・ディマス
1992年 バルセロナ大会
金 370.0㌔

1996年 アトランタ大会
金 392.5㌔

2000年 シドニー大会
金 390.0㌔

2004年 アテネ大会
銅 377.5㌔

4連覇を達成した2人のはなし。
生涯で9個の五輪金メダルを獲ったカール・ルイスだが、4連覇を果たしたのは走り幅跳びである。その優勝記録は、
ロサンゼルス 8.54m
ソウル    8.72m
バルセロナ  8.67m
アトランタ  8.50m
実は19歳のときのも幻のモスクワの代表に選ばれていて(金メダルはドンブロウスキー8.54m)ひょっとしたら前人未到の5連覇もあったのではなかったかと思う。
でも、ルイスのほんとうに凄かったのは1991年に開かれた東京の世界陸上。
①8.68m
②棄権
③8.83m
④8.91m
⑤8.87m
⑥8.84m
と、信じられないジャンプを連発する。
ただ、同じアメリカのマイク・パウエルが世界記録の8.95mを跳び銀メダルに終わった。
負けてもなおルイス強しを印象付けたジャンプだった。

最後にアルフレッド・オーター
陸上円盤投げでメルボルン、ローマ、東京、メキシコで4連覇を果たした後、幼かった娘二人と一緒にいてやりたいといって引退。
娘も大きくなり、2大会ブランクの後モスクワ大会にカンバックしようとした。
1980年の全米陸上では2位に入り、幻のモスクワ代表にも選ばれた。
ロサンゼルス大会の開会式で五輪旗を掲げた一人だったと記憶している。

1980年に創刊されたNUMBER誌にボイコット騒動の渦中のオーターのインタビュー記事が出ていた。
黙々と練習する中「(カーター)大統領は間違っていない」と語っていたのを今なお思い出す。

円盤投げやハンマー投げは、築き上げた技術という財産が長く維持できる種目なのだろう。
それにしても、メルボルン(1956年)から24年後に、その水準を保ったというのは、奇跡的である。

●円盤投げ アル・オーター
1956年メルボルン大会
金 56.36m
 
1960年ローマ大会
金 59.18m

1964年東京大会
金 61.00m

1968年メキシコ大会
金 63.78m

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August 31, 2004

2008年北京五輪?

Q.北京五輪で中国はメダル獲得争いでトップになるでしょうか?

1.なる 
2.ならない

アテネ五輪がついに閉幕した。
29日の閉会式のクライマックスには、赤い巨大ちょうちん型のステージも現れ、最上部で中国人の女性が中国語の歌を熱唱。その傍らで英語の「ようこそ北京へ」と書かれた横断幕が出現し、観客から大きな拍手が起こった。

このアテネ五輪を次回北京五輪の開催国 中国の国営通信社新華社はどのように伝えただろうか。
アテネ五輪で中国が金メダルを32個獲得、米国に次ぐ世界第2位に躍進したことについて「北京五輪開催の追い風に乗り世界のトップグループに入り、ロシアを追い越し米国に追いつく実力を示した」と高く評価した。
米国がメダル争いでトップの座を守ったが、その勢いに陰りが見えたとして「世界スポーツ界に大変動が起きた」と指摘。今後は米ロの2強から中国も加わった3強がトップを争う時代に入ったとする見方を示した。
また、同電はアテネ五輪の10大ニュースを同日配信、(1)五輪が平和裏に開催された(2)中国が金メダルで世界2位の成果を上げた-に続き、日本の台頭による金メダル獲得競争の激化を3番目に挙げている。

シドニー大会で、28個の金メダルを獲得し、スポーツ強国の地位を不動のものにした中国は、4年後を見据えて20歳そこそこの若い選手で今回の選手団を編成した。
が、その若い選手団も32個と、ロシアを上回る金メダルを手にした。
どうやら北京大会で、中国の金メダル1位が見えてきたようだ。

28年前、モスクワ大会を4年後に控えたソ連は、モントリオール大会で49個の金メダルを獲得し、他を圧倒、2位には人口1800万の小国東ドイツが金メダル40個で入り、アメリカは34個で3位に終わった
4年後のモスクワ大会は、日米西独等のボイコットによって、米ソの対決は見られなかったが、果たして当時のソ連と今の中国とその存在感はどちらが大きいだろうか。

下記の表は、五輪開催国が開催4年前と比べてどれだけメダルを増減させたかを示した。
米ソのようなスポーツ大国はともかく、日本、西ドイツ、韓国、スペイン、オーストラリアは自国大会で圧倒的にメダルを増やしている。ホームアドバンテージが一様にあることを証明している。
以前、カナダがモントリオール大会で金メダルゼロに終わったことを書いたが、その4年前のミュンヘン大会でもカナダは金メダルが獲れていなかった。
オーストラリアよりも人口が多く、白人を中心とした人種構成でありながら、おそらくはメダルにあまり執着しない国民性なのだろう。

●五輪開催国の獲得メダル(自国開催時と4年前 括弧内は順位 金銀銅の順)
中国
 2008年  ?
 2004年 32 17 14(2)

ギリシア
 2004年  6  6  4(15)
 2000年  4  6  3(17)

オーストラリア
 2000年 16 25 17(4)
 1996年  9  9 23(7)

アメリカ
 1996年 44 32 25(1)
 1992年 37 34 37(2)

スペイン
 1992年 13 72 22(6)
 1988年  1  1  2(26)

韓国
 1988年 12 10 11(4)
 1984年  6  6  7(10)
 
アメリカ
 1984年 83 61 30(1)
 1980年  -  -  -(-)

ソ連
 1980年 80 69 46(1)
 1976年 49 41 35(1)

カナダ
 1976年  0  5  6(27)
 1972年  0  2  3(27)

西ドイツ
 1972年 13 11 16(4)
 1968年  5 11 10(8)

メキシコ
 1968年  3  3  3(15)
 1964年  0  0  1(32)

日本
 1964年 16  5  8(3)
 1960年  4  7  7(8)

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August 27, 2004

メダルをめざせ!4×100リレー

Q.日本は陸上リレーで過去にメダルを獲得したことがある。

1.○ 2.×

アテネ五輪も残すところ僅かになったが、陸上競技のリレーを非常に楽しみにしている。
4×100リレーと4×400リレーは、今大会からその出場国を16カ国に制限することになり、過去1年間に出したタイム上位2レースの平均タイムで16カ国を選び、準決勝と決勝の2レースだけを走ることになった。
4×100リレーの出場国は下記の16カ国である。

●4×100リレー出場16カ国
1.アメリカ 37秒88
2.ブラジル 38秒35
3.日本 38秒46
4.ポーランド 38秒48
5.イタリア 38秒53
6.ドイツ 38秒53
7.英国 38秒34
8.ナイジェリア 38秒64
9.ジャマイカ 38秒65
10.オランダ 38秒68
11.トリニダードトバゴ 38秒69
12.カナダ 38秒69
13.フランス 38秒70
14.豪州 38秒71
15.ガーナ 38秒76
16.ロシア 39秒04

これによると日本男子は、4×100リレーでは3位、4×400リレーでは6位とかなりの好位置にいる。
五輪におけるリレーの最高順位は4×100リレーが、1932年のロサンゼルス大会の5位。戦後はバルセロナ大会とシドニー大会の6位が最高である。また、4×400リレーはアトランタ大会の5位が最高である。
今大会はランキング3位の4×100リレーに初のメダルが期待できるのである。

4×100リレーの現在の日本記録は38秒31。
1997年のアテネで行われた世界選手権準決勝とシドニー五輪の準決勝で出ている。
世界陸上のときは、準決勝2組で5位ながら出した記録である。
陸上競技は競泳と異なり、タイム順に次の段階に進むタイムスレースではなく、順位によって決められる。準決勝から決勝に進む際は、ふた組のそれぞれ4位までが決勝に進むわけだ。
そのため、日本は全体の順位では7位だったものの、決勝進出を果たせなかった。
0930suetsugu.jpg

シドニー五輪は、準決勝で日本新を出し、決勝に進むも、準決勝で好走を見せた1走の川畑が準決勝で右太もも肉離れ寸前の状態になり、急遽小島茂之に交代をする。そして3走の末續は2走の伊東からバトンを受け、わずか20メートルで肉離れを起こしてしまうが、そのまま走りきる。4走の朝原が懸命に走るも、日本記録の更新はならず、順位も6位に終わった。

100㍍のアジア記録10秒00を持つ伊東浩司が集大成と捉えていた種目だっただけに、残念な結果だった。当時、末續はまだ20歳のひ弱さの残る大学生だったのである。


●4×100リレー日本記録
1997年8月9日 世界陸上選手権アテネ大会準決勝5位
井上  悟、伊東 浩司、土江 寛裕、朝原 宣治

2000年9月29日 シドニー五輪準決勝2組3位
川畑 伸吾、伊東 浩司、末續 慎吾、朝原 宣治

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August 24, 2004

日本がケー・スンヒの金メダルを奪った

男子体操の6種目の内、日本人選手が唯一五輪で金メダルを獲ったことのない種目は何でしょう。

1.あん馬 2.跳馬 3.つり輪

こたえ.あん馬 
昨年の世界選手権では、鹿島選手があん馬で金メダルを獲っており、今大会はチャンスと見られていたが、惜しくも銅メダルに終わった。

日本時間の早朝、体操のフィナーレを飾る種目別鉄棒が行なわれた。
この種目のシドニー大会の金メダリスト ロシアのアレキセイ・ネモフは3人目に登場、離れ業を連発するも着地が乱れ、9.725と得点が伸びずに終わった。
これに対し、納得のいかない観客がブーイングで抗議する。
この状態が10分以上続いた。
この間、テレビではわからなったのだが、得点は9.762と訂正されたらしい。
ところが、観客は騒然としたまま。
すると、ネモフは自ら演技台に上がり、騒動を手で制した。
アトランタ大会から3度目の五輪、シドニーの個人総合も制したベテランは事態を収めた。

自分の演技の前に中断を余儀なくされたアメリカのポール・ハムは気を取り直し、9.812を出し、銀メダルに輝いた。
国際体操連盟(FIG)は審判の採点に対して、選手からの抗議も認めておらず、観客の騒ぎで得点を見直すのは極めて異例だ。

鉄棒の主審を務めた加藤沢男氏は「私は変えるつもりはなかった。上(FIG幹部)から差が開いている審判を呼んでチェックするように言われた」と説明。協議の結果、一部審判が上方修正した。

日本の塚原光男チームリーダーはこの異常事態に「チームからの抗議で点数が変わることはあるが、ブーイングで点数が上がったことは記憶にない」と驚きながら話している。

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August 20, 2004

20年ぶりのメダル 12年ぶりの金

Q.日本で初めてアーチェリーでメダルを獲った選手といえば誰でしょう。

1.道永宏 2.山本博 3.松下和幹

こたえ.1.道永宏 モントリオール大会 個人銀メダル

8月19日 柔道100㌔級の井上康生が無念のメダルなしに終わり、阿武教子が3度目の五輪で初の金メダルを掴んだ直後、ビッグニュースが飛び込んできた。
アーチェリー男子個人で山本博選手が銀メダルを獲得した。
山本は現在41歳。20年前の日体大時代にロサンゼルス大会で銅メダルを獲得。シドニー大会は国内選考で敗れたものの、5度目の五輪で2度目のメダルを獲った。

山本の快挙を見て、ある女性選手を思い出した。
彼女の名前はウルリケ・マイファルト
16歳と28歳で2回、走り高跳びで金メダルを獲った選手である。

Guya-mey.jpeg
▲切手にデザインされたマイファルト

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August 18, 2004

世界一速く泳ぐ男は誰だ!

Q.競泳男子200㍍バタフライで銀メダルを獲得した山本貴司選手の奥様は誰でしょう。

1.千葉すず 2.田島寧子 3.長崎宏子

こたえ.千葉すずさん イトマン、近大付属高校で2年先輩の千葉さんと結婚した。

昨日の体操男子団体の金メダルの興奮が冷めやらない。
体操でこれだけ感激したのはモントリオール五輪の団体以来だ。
もう28年も経つが、加藤、監物、塚原、梶山、藤本、五十嵐、そして悲運のエース笠松。
当時のメンバーの名前は今でもそらで言える。
ちなみにミュンヘン五輪男子バレーボールの12名もそらで言えるが、メキシコの銅メダルイレブンは数人怪しい。もちろん、長野五輪のジャンプ団体の4人は簡単だ。
アテネの6人の名前も末永く記憶に残りそうだ。

明日の未明に世界一速く泳ぐ男を決めるレースがある。
今では50㍍自由形(1988年以降正式種目)があるので、「世界最速」を競うという点では語弊があるかもしれない。
だが、1896年の第1回近代五輪からの正式種目である100㍍自由形こそが、世界最速にふさわしいのではと思う。

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August 17, 2004

祝 体操日本王座奪回! 北島は?

Q.日本体操男子は過去に団体で何連覇していたでしょう?

1.4連覇
2.5連覇
3.6連覇

体操男子団体が金メダルを獲得した。
1960年のローマ大会から1976年のモントリオール大会まで5連覇した日本だったが、アトランタ、シドニーとメダルが一つも獲れなかった。
28年ぶりの大快挙である。

これまで日本が世界一から陥落して、返り咲いた競技はほとんどない。
かつてメダルは当たり前といわれたものの、現在では出場権の獲得すら危うい男女バレーボールやレスリング。重量挙げや陸上三段跳びもお家芸と言われていたことがある。
ミュンヘン大会やモントリオール大会の頃は、体操とレスリングそして柔道でメダルを量産し、男女のバレーボールもメダルに絡んでいた。
それが、柔道を除いて、世界から一度追いていかれた競技は二度と追いつけなかった。
そんな中、今回の団体金の価値は計り知れないものがある。
決して天才が急に出現したのではなく、20年以上に渡るジュニアからの強化がやっと実を結んだのだ。

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August 16, 2004

谷選手に金メダルを授与したのは誰?

Q.五輪二連覇を果たした谷亮子選手に金メダルを授与したのは誰でしょう。

日本人選手が金メダルを獲ると表彰式の様子がテレビで放送される。
ここのところ、日本の金メダルが少なくて表彰式を見る機会も少なかったが、今大会は既に4回も見てしまった。

柔道初日の谷亮子選手の表彰式で、谷に金メダルを授与したのは猪谷千春氏である。
1956年コルチナ・ダンペッツオ冬季五輪で、冬季五輪史上日本に最初のメダルをもたらした人物である。回転の銀メダリストで、アルペンのメダリストは、後にも先にも彼しかいない。
当時、特に北海道の方にとって、日本人がアルペンでメダルを獲ることがいかに衝撃的なことだったか、猪谷さんの名前をもらった方が、現在40から50歳くらいの方にいかに多いかで推し量ることができる。
松山千春氏はその最たるものである。

猪谷千春氏の父猪谷六合雄氏は、自分の全人生を日本のスキー振興に賭けた人物として知られている。
息子・千春氏にスキーの才能があることを見抜くと、徹底的な特訓で、彼を一流のスキーヤーに育て上げていった。ところが、千春氏は成長し、自分が父の操り人形のようにスキーを学ばされたことを悩みだす。米国ダートーマス大学にも留学した彼は、自分とスキーとの関わりを再確認し、五輪メダリストになるのだが、まるで「巨人の星」のスキー版のような話である。

引退後は、外資系生命保険会社の社長も務めるなど、企業人としても成功した方である。IOC委員は大会中多くのメダリストにメダルを授与するだろうが、スキーと柔道が結びつかず、猪谷さんが谷選手にメダルを授与するとは思ってもみなかった。

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August 08, 2004

アテネ五輪球技のメダル予想!

Q.シドニー五輪で日本が獲得した金メダルは5個でしたが、事前に地元紙「デイリー・テレグラフ」はいくつ獲得すると予想していたでしょう。

1.10個
2.5個
3.難しすぎてわからない

こたえ.10個

共同通信7月29日
米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」最新号がアテネ五輪のメダル予想を掲載し、日本の金メダルを7個と予測した。日本の総メダル数は24個に増えて全体の10位になり、18個(うち金5)だった前回シドニー大会より躍進すると予想した。
 日本勢で金メダルと予想されたのは、柔道4人とレスリング女子3人。柔道は男子60キロ級の野村忠宏、同100キロ級の井上康生、女子70キロ級の上野雅恵、同78キロ級の阿武教子の4人。女子48キロ級の谷亮子は、決勝で北朝鮮選手に敗れて銀にとどまるとみている。
レスリング女子の金候補は55キロ級吉田沙保里、63キロ級伊調馨、72キロ級の浜口京子の3人。
このほか水泳男子平泳ぎの北島康介は100、200mとも銀で、陸上男子ハンマー投げの室伏広治も銀どまりの予想だ。
野球はキューバが優勝で、日本は2位。

スポーツ・イラストレーテッド誌は、IOCスポンサーTOP社の「TIME LIF」社が発行するスポーツ専門誌であるが、恒例のメダル予想を発表した。
先に紹介したAP通信よりも詳細に分析している。
以下球技および団体競技のメダル予想を紹介する。
なお、コメントは、筆者の独断である。

AP通信、スポーツ・イラストレーテッド誌以外のメダル予想をご存知の方がいらしたら教えてください。

スケットボール 
米国男子は1936年のベルリン大会にバスケットが採用されて以来109勝2敗。ただ、今回のドリームチームは史上最弱?
男子 1.米国 2.セルビア・モンテネグロ 3.リトアニア
女子 1.米国 2.ロシア 3.豪州

体操団体 
日本男子の団体は米田、富田、鹿島。好選手が揃い3大会ぶりのメダルが濃厚。
女子は団体(12カ国)の出場権が獲れなかった。
男子 1.中国 2.日本 3.米国
女子 1.米国 2.ルーマニア 3.中国

ハンドボール 
欧州選手権かと思うような、列強は全て欧州勢。
男子 1.ドイツ 2.クロアチア 3.フランス
女子 1.フランス 2.ハンガリー 3.ウクライナ

ソフトボール 
日本が金メダルを獲れば76年モントリオール大会の女子バレー以来の球技の金メダルになる。(84年の野球は公開競技)。
1.米国 2.日本 3.豪州

野球 
米国不在の中、金メダルは日本とキューバの争い。キューバ戦の先発はダイエー和田?
1.キューバ 2.日本 3.カナダ

サッカー 
男子はアルゼンチン、ポルトガル、イタリアの3強の争いか。B組はイタリアのジラルディーノ、パラグアイのサンタクルス(補欠登録だが出てきそう)など注目のワールドクラスの選手も。日本の初戦は開会式前の8月13日午前2時30分キックオフ。
男子 1.アルゼンチン 2.ポルトガル 3.イタリア
女子 1.スウェーデン 2.ドイツ 3.米国

ホッケー 
古豪のパキスタンがメダルに届くかどうか。
初出場の日本女子は、豪州、オランダ、アルゼンチンさらには中国の4強を崩せ。
男子 1. オランダ 2. 豪州 3. パキスタン
女子 1.豪州 2.オランダ 3.アルゼンチン

バレーボール 
女子はキューバが3大会連続の金メダルを獲得中だが、今回は中国・ブラジルにはかなわないだろう。栗原、大山がともに20歳になった日本だが、大山が大爆発すれば…。
男子 1.ブラジル 2.イタリア 3.セルビア・モンテネグロ
女子 1.中国 2.ブラジル 3.キューバ

水球 
ハンガリーが8回目の金メダルを狙う。
男子 1.ハンガリー 2.セルビア・モンテネグロ 3.ギリシャ
女子 1.米国 2.イタリア 3.ハンガリー

シンクロ 
立花・武田はこの競技で初の4つのメダルを獲得する選手になるだろう。
デュエット 1.ロシア 2.日本(立花・武田組) 3.スペイン
チーム 1.ロシア 2.日本 3.米国

JOCとしてはこんなメダル予想をしている。
ちなみに福田強化本部長はレスリング出身。

朝日新聞6月17日
日本オリンピック委員会(JOC)は、アテネ五輪の日本の金メダル数を「良くて9、悪くて3」と分析している。五輪選手団総監督を務める福田富昭JOC選手強化本部長が17日、明らかにし、「分析結果を超える2けたの金メダルに挑戦したい」と目標を掲げた。
JOC情報戦略部会が、各競技の世界ランキングや最近の試合の成績から分析した。柔道男女やレスリング女子が有力候補にあがっているという。金、銀、銅のメダル総数は「良くて34、悪くて14」との予想で、福田本部長は「24、25は取りたい」と話す。
夏季五輪で日本が最も多く金メダルを取ったのは64年東京大会の16個。メダル総数は、旧ソ連や東欧諸国がボイコットした84年ロサンゼルス大会の32個が多い。その後は減少傾向で、96年アトランタ大会で14個(金3、銀6、銅5)になり、00年シドニー大会で18個(金5、銀8、銅5)と盛り返している。

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