水泳

August 05, 2013

世界水泳男子400mメドレーリレーの結果(2003~2013) *女子も追加

世界水泳選手権最終日は4日、スペインのバルセロナで行われ、競泳の男子400メートルメドレーリレーで日本(入江、北島、藤井、塩浦)が3分32秒26で銅メダルを獲得した。当初4位でゴールしたが、米国に違反があり、3位に繰り上がった。
なお、アンカーを泳いだ塩浦慎理の47秒82は、リレーのためもちろん公認されないが、100m自由形の日本人選手が泳いだ最高記録ではないか。
北京五輪のメドレーリレー決勝で佐藤久佳が48秒35で泳いだ記録を上回っている。


 2013年世界水泳バルセロナ大会400mメドレーリレー決勝
 ①フランス3:31.51
 ②豪州3:31.64
 ③日本3:32.26 入江陵介(53.48)・北島康介 (59.29)・藤井拓郎(51.67)・塩浦慎理 (47.82)

●これまでの世界水泳男子400mメドレーリレーの結果
 2011年上海大会
 ①米国3:32.06
 ④日本3:32.89 入江陵介(52.94)・北島康介 (59.59)・藤井拓郎(51.55)・日原将吾(48.81)

 2009年ローマ大会
 ①米国3:27.28
 ⑦日本3:30.91 古賀 淳也(52.90)・立石諒(58.90)・藤井拓郎(50.68)・原田蘭丸(48.43) 

 2007年メルボルン大会
 ①豪州3:34.93
 ②日本3:35.16 森田智己・北島康介・山本貴司・細川大輔

 2005年モントリオール大会
 ①米国3:31.85
 ③日本3:35.40 森田智己・北島康介・高安亮・細川大輔

 2003年バルセロナ大会
 ①米国3:31.54
 ③日本3:36.12 森田智己 (54.93)北島康介 (59.11)山本貴司 (52.24)細川大輔(49.84)


●これまでの世界水泳女子400mメドレーリレーの結果
 2013年バルセロナ大会
 ①米国3:53.23
 ⑤日本3:58.06 寺川綾・鈴木聡美・星奈津美・上田春佳

 2011年上海大会
 ①米国3分52秒36
 ⑤日本3:57.84 寺川綾・鈴木聡美・加藤ゆか・松本弥生

 2009年ローマ大会
 ①中国3:52.19
 ⑦日本3:57.93 酒井 志穂田村菜々香加藤ゆか上田春佳
 
 2007年メルボルン大会
 ①豪州3:55.74
 ⑥日本4:03.33 中村礼子・北川麻美・土肥亜也子・三田真希

 2005年モントリオール大会
 ①豪州3:57.43
 ⑦日本4:06.85 中村礼子・中村沙耶香・中西悠子・浦部紀衣

 2003年バルセロナ大会
 ①中国3:59.89
 ⑤日本4:06.25 中村真衣・田中雅美・中西悠子・永井奉子

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July 30, 2013

北島康介の世界水泳平泳ぎ100mの結果(2001~2013)

水泳の世界選手権は29日、バルセロナで競技を行い、男子100m平泳ぎ決勝で北島康介は59秒98で6位だった。 クリスチャン・スプレンガー(オーストラリア)が58秒79で優勝した。
五輪では100m、200mともに2大会連続金メダルを獲った北島だが、世界水泳の100mでは一度しか優勝していない。

●北島康介世界水泳100m平泳ぎの結果
 2001年福岡大会
 ①スロードノフ(RUS)1分00秒16
 ④北島康介 1分00秒67

 2003年バルセロナ大会
 ①北島康介 59秒78

 2005年モントリオール大会
 ①ハンセン(USA)59秒37
 ②北島康介 59秒53

 2007年メルボルン大会
 ①ハンセン(USA) 59秒80
 ②北島康介 59秒96

 2009年ローマ大会
 ①リカード(AUS) 58秒58
 *この年北島康介は完全休養した。 

 2011年上海大会
 ①ダーレオーエン(NOR) 58秒71(故人)
 ④北島康介 1分00秒03

 2013年バルセロナ大会
 ①スプレンガー(AUS) 58秒79
 ⑥北島康介 59秒98

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April 15, 2013

萩野公介は3種目でメダル相当

史上初の日本選手権5冠を達成した東洋大学萩野公介の6種目を振り返ると下記のようになる。
単純にタイムをロンドン五輪に当てはめると3種目でメダル相当、全6種目で決勝進出となる。

200m背 ②1分56秒11 6位相当
200m個人メ ①1分55秒74(日本新)銅相当
400m自 ①3分45秒42  4位相当
100m背 ①53秒10  銀相当
200m自 ①1分46秒28  6位相当
400m個人メ ①4分7秒61(日本新)銀相当


日本水泳連盟は15日、7月19日にスペイン・バルセロナで開幕する世界水泳選手権の競泳日本代表選手を発表した。

個人的には1992年のバルセロナ五輪に出場した稲田法子さん(34歳)が、代表に入れなかったのが残念。
古い水泳ファンは皆思っているのではないか?

<男子>
塩浦慎理(中央大):自由形
伊藤健太(ミキハウス):自由形
萩野公介(東洋大):自由形、背泳ぎ、個人メドレー
平井彬嗣(柏洋・柏):自由形
宮本陽輔(自体校):自由形
入江陵介(イトマン東進):背泳ぎ
立石諒(ミキハウス):平泳ぎ
山口観弘(志布志DC):平泳ぎ
松田丈志(コスモス薬品):バタフライ
小堀勇氣(セントラルスポーツ):バタフライ
瀬戸大也(JSS毛呂山):個人メドレー

<女子>
寺川綾(ミズノ):背泳ぎ
赤瀬紗也香(日本体育大):背泳ぎ
鈴木聡美(ミキハウスY):平泳ぎ
金藤理絵(Jaked):平泳ぎ
星奈津美(スウィン大教):バタフライ
渡部香生子(JSS立石):個人メドレー
寺村美穂(セントラルスポーツ):個人メドレー
大塚美優(日本体育大):個人メドレー
高橋美帆(日本体育大):個人メドレー

<リレー>
【男子】
藤井拓郎(コナミ)
小長谷研二(コパンSS)
外舘祥(イトマン)
北島康介(アクエリアス)

【女子】
上田春佳(キッコーマン)
内田美希(東洋大)
山口美咲(イトマン)
松本弥生(日体大大学院)
五十嵐千尋(横浜サクラ)
高野綾(イトマン)
宮本靖子(東洋大)

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August 01, 2012

難しい競泳五輪3連覇

北京五輪で競泳8冠に輝いたマイケル・フェルプスは、8冠の内5つが個人種目。残る3種目がリレーだ。
5つの個人種目の内、早々に200m自由形の出場辞退を表明していたが、残る4種目は2004年のアテネ五輪でも優勝しており、ロンドン五輪で3連覇がかかっていた。
7月28日の400m個人メドレーでは4位に沈み、今日未明の200mバタフライではチャド・ルクロス(南アフリカ)にゴール間際でかわされ銀メダルに終わった。
3連覇の可能性の残る種目は、100mバタフライと200m個人メドレーのみとなった。

同様にアテネ五輪からの同一種目3連覇をめざし、既に100mでは敗れた北島康介は、200mで2分09秒03のタイムで、5位で決勝進出した。
まだ余力がありそうに見える。今年の日本選手権のタイム2分08秒00が出れば金メダルも見えてくる。

●昨年の世界水泳との比較
上海世界水泳 予選 2分11秒17(6位) 準決勝 2分08秒81(1位) 決勝 2分08秒63(2位)
ロンドン五輪 予選 2分09秒43(5位) 準決勝 2分09秒03(5位) 決勝 ?

3rem


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August 03, 2011

来年29歳の北島康介は ロンドン五輪で金メダルが獲れるか

上海で行われていた世界水泳から帰国した北島康介についてこんな記事があった。

3大会連続2冠を狙うには、100、200メートル2種目で、予選、準決勝、決勝と少なくとも6レース泳ぐ必要がある。今回は6レース目の200メートル決勝の最後15メートルで失速。「もっと体力を上げていかないと」と痛感した。ロンドンでは29歳。100、200メートルのどちらか1種目に絞って、体力を温存する方法もあるが、北島も「これから考えます」と、その可能性を捨てきれない様子だった。(日刊スポーツ)

2004年・08年と100m・200m平泳ぎの2冠 計4個の金メダルを持つ北島。
来年のロンドン五輪では100m、200mとも3連覇が掛かる。
過去競泳において五輪3連覇を遂げた選手は2人しかいない。

ドーン・フレーザー(豪州)女子100m自由形 1956・60・64年
クリスティーナ・エゲルセギ(ハンガリー)女子200m背泳ぎ 1988・92・96年

北島の場合は男子初、史上3人目の3連覇になる。
今回の世界水泳での失速は、シーズン前半に故障をして十分な泳ぎこみができなかった為という。
1週間余りの五輪の日程で個人種目を6本泳ぎ、メドレーリレーも泳ぐというのは29歳にとっては辛いものがあろう。
100か200、どちらかに絞るというのもいいかもしれない。


さて上海ではスウェーデンのテレーズ・アルシャマールという女子選手が活躍した。
50m自由形優勝 24.14
50mバタフライ2位 25.76
とメダル2個の活躍だったのだが、1977年8月26日の33歳、今月中には34歳になるというベテランだったのだ。

過去には2005年の世界水泳50m平泳ぎで、ドイツの35歳マルク・ワルネッケが優勝したことがある。(このレース北島は3位)。

この30代選手の2人に共通なのは種目が50mであること。
30代半ばでも50mであれば、世界のトップになれるということだ。
とはいうものの、五輪で50mが行われているのは自由形のみ。
では、自由形での最年長はというと
アメリカのダラ・トーレス41歳の女性が、北京五輪の50m自由形で銀メダルを獲っている。
さらにメドレーリレーではアメリカのアンカーとして出場し、銀メダルを手にした。
トーレスは17歳でソウル五輪に出場し、41歳まで2回の引退を超え5回の五輪出場を果たし、12個のメダルを獲った怪物だ。


日本において競泳の最年長五輪選手は、メルボルン五輪(1956年)に100m背泳ぎに出場した長谷景治氏の31歳。
結果は準決勝で敗退している。
一方女子は、アテネ五輪に29歳で出場した大西順子氏。
アテネではメドレーリレー5位、100mバタフライ8位に留まったが、4年前のシドニーのメドレーリレーで銅メダルを獲ったメンバー(当時は25歳)でもある。

「今まで生きてきた中で、一番幸せです」という名台詞で14歳で金メダルを獲ったのは岩崎恭子氏。
現在でも競泳では史上最年少(14歳6日)の金メダル獲得で、日本選手としての五輪メダル獲得の最年少記録であるが、バルセロナ五輪の日本競泳チームの最年長は、渡辺健司氏で23歳だった。
そう思うと競泳の選手寿命は随分長くなったものだ。

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August 01, 2011

世界新記録は43→2 世界水泳

昨日最終日を迎えた世界水泳選手権 男子1500m自由形で不滅といわれていたグラント・ハケットの14分34秒56を中国の19歳孫楊が破る14分34秒14の世界新記録を出し優勝した。
この結果今大会で出た世界新記録は2に留まり、2年前のローマの世界選手権の43から大幅減となった。

今大会の世界新記録の一つ目ライアン・ロクテ(米国)の200m個人メドレーでの記録は、自らがローマで出した1分54秒10を0秒10縮めた記録。
そして二つ目の孫楊の世界新記録は、グラント・ハケットが2001年の福岡世界水泳で出た記録を破ったものだ。
まだ覚えている方も多いだろう。
北京五輪の2008年、翌年の2009年と高速水着が世界を席巻した。
その結果、おいそれとは破ることの出来ない世界記録が続出していたのだ。
(余りのひどさに高速水着は2010年以降禁止となった。)

ここ10年の世界大会で出た世界記録の数は、下記のようになる。
世界新が少なすぎるのではなく、ようやく普通の状態に戻ったといえる。

●大会別の世界新の数 
2011年上海世界水泳 2
2009年ローマ世界水泳 43
2008年北京五輪 25
2007年メルボルン世界水泳 14
2005年モントリオール世界水泳 9
2004年アテネ五輪 6
2003年バルセロナ世界水泳 14
2001年福岡世界水泳 8

しかし、孫楊の世界記録は凄かった。
この選手は、昨年の広州アジア大会の際に見ていたが、さらにスケールアップをした感がある。
1400mを終えた時点で約2秒世界記録に及んでいなかったが、最後の100mを57秒53で泳ぐという圧巻のレースだった。
古い人にしか判らないだろうが、まるでサルニコフが初めて15分の壁を破ったモスクワ五輪のレースを見たときと同様の衝撃だった。

近年の五輪の1500mは、20歳そこそこの選手が金メダルを獲っている。
孫楊は来年20歳。
しかも五輪は800mが実施されないため、負担は今回よりも軽いはず。
400m、1500mの両方に勝ちそうな気配だ。

1500_3


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July 31, 2011

男子メドレーリレー 日本は4位

上海で行われていた世界水泳最終日 最終種目の男子メドレーリレーで日本は3分32秒89で4位に終わりメダル奪回は適わなかった。

メドレーリレーは背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順で引き継がれるが今回の日本チームの4人のそれぞれのタイムと順位( )は下記のようになる。

入江 (1位)  52.94
北島 (1位) 59.59
藤井 (1位) 51.55
日原(4位) 48.81
合計(4位)  3分32秒89

一方優勝したアメリカは

トーマン (3位)  53.61
ギャングロフ (4位) 1:00.24
フェルプス (2位) 50.57
エイドリアン (1位) 47.64
合計(1位) 3分32秒06

日本は背泳ぎの入江から平泳ぎの北島、バタフライの藤井まで1位だったが、最終泳者の自由形で4位に終わった。
アメリカは絶対的な強さは無かったものの、自由形のエイドリアンが日原を1秒以上勝り優勝。
この種目はどうしてもアンカー勝負になり、他の3泳法で勝っていても自由形で切り札を欠く日本が優勝することは難しい。

また気になるのは、日本は2003年のバルセロナ世界水泳以降10年近くに渡って、世界大会でメダルに絡んできたが、この7大会の内6大会で平泳ぎは北島康介が務めていること。
他の泳法は世代交代が進むが、平泳ぎだけは北島を超える選手が現れない。
北島ももう28歳、今まで以上の活躍を期待するのは酷だろう。


2003年 バルセロナ世界水泳3位 森田、北島、山本、細川
2004年 アテネ五輪3位 森田、北島、山本、奥村
2005年 モントリオール世界水泳3位 森田、北島、高安、細川
2007年 メルボルン世界水泳2位 森田、北島、山本、細川
2008年 北京五輪3位 宮下、北島、藤井、佐藤
2009年 ローマ世界水7位 古賀、立石、藤井、原田
2011年 上海世界水泳4位 入江、北島、藤井、日原


*この種目の日本記録は、2009年ローマの世界水泳の予選(古賀、立石、藤井、原田)で出された3分30秒74。
世界記録はこのときのアメリカチームの決勝での優勝タイムで3分27秒28。
もちろん、高速水着の結果であり、当分破られることはないだろう。

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April 11, 2011

続 1500m自由形

4月9日に宮崎陽輔が1500m自由形で、日本人で初めて15分の壁を破る14分57秒56という記録を出した。
この記録は果たして世界でどのくらいの位置にいるのだろうか。

今季は2位、2010年では6位に相当し、さらに世界歴代29位の記録になる。
歴代10傑の記録の内6は、2008年前後に出された記録だ。
これは、当時世界を席巻していた高速水着の影響だ。
高速水着は2010年以降制限されており、そうした中での14分台は極めて価値が高い。
1500
1976年以降の1500m自由形の五輪金メダリストは、9大会で6人いる。
金2銀1を獲ったグラント・ハケットの世界記録が11年間に渡ってトップにあるが、中国の20歳孫楊がハケットの世界記録を射程内に入れている。
この夏の世界水泳は中国・上海。
孫楊の世界新の可能性は、極めて高いだろうと思う。

ハケット同様に五輪で金2銀1を獲ったパーキンスの1994年の記録が、いまだ世界6位にあるのは驚きだが、人類で初めて15分の壁を破り、五輪金2のウラジミール・サルニコフの記録が世界21位。
モントリオール五輪ではサルニコフに勝ったブライアン・グッデルの記録が46位、ソ連や東独が来なかったロサンゼルス五輪を制したマイケル・オブライエンの記録が54位に残っているのが興味深い。

調べていくと、グッデルは身長が173センチとある。
確かに小柄選手だったという印象だが、平均190センチが揃うこの種目にあって173センチとは驚いた。

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April 09, 2011

宮本陽輔 1500m自由形で初めて15分を切る

競泳の世界選手権選考会 男子1500m自由形で、宮本陽輔(鹿屋体大)が日本人として初めて15分を切る14分57秒56の日本新記録で優勝し、世界選手権代表を決めた。
20歳187センチだそうだ。

競泳や陸上などタイムを競う競技の場合、いくつかの壁が存在する。
競泳1500m自由形には「15分」という壁があった。

人類史上初めて15分の壁を破ったのは、ウラジミール・サルニコフ、当時のソ連の選手だ。
14分58秒27 
この記録が作られたのは1980年 アメリカや日本がボイコットしたモスクワ五輪である。

日本選手が参加していないため、マスコミの扱いの少なかったモスクワ五輪であったが、1500mで初めて15分の壁を破った青年の記事は日本の一般紙の一面にも取り上げられた。
このときのサルニコフは20歳。
サルニコフは真の五輪王者をめざし、ソウル五輪で2個目の金メダル(他の種目と合わせると4個目)を獲ったときが28歳。
この種目にとって28歳は大変な高齢になる。

1976年以降の1500mの五輪金メダリストを挙げると次のようになる。

1976年 ブライアン・グッデル17歳 アメリカ
1980年 ウラジミール・サルニコフ 20歳 ソ連
1984年 マイク・オブライエン 18歳アメリカ
1988年 ウラジミール・サルニコフ 28歳 ソ連
1992年 キエールン・パーキンス 18歳 豪州
1996年 キエールン・パーキンス 22歳 豪州
2000年 グラント・ハケット 20歳 豪州   パーキンス27歳は2位
2004年 グラント・ハケット 24歳 豪州
2008年 ウサマ・メルーリ 24歳 チュニジア ハケット28歳は2位

最年少は17歳、サルニコフを除く最年長は24歳。
若くなければ勝てない種目だ。
27歳で3連覇をめざした2000年のパーキンス、28歳で同じく3連覇をめざした2008年のハケットはともに銀メダルに終わっている。
サルニコフの28歳の金メダルは意地と執念の賜物である。

昨年11月に行われた広州アジア大会の1500m自由形で、優勝したのは中国の孫楊18歳(当時)。
グラント・ハケットが2001年に出した最古の世界記録に 0秒87差と迫る14分35秒43という大変な記録だった。
このレースは北京五輪400m自由形金メダリストの朴泰21歳(韓国)が2位、800m自由形世界記録保持者の張琳23歳(中国)が3位に入っている。
今日の宮本の台頭で、日本も中国・韓国勢の背中が見えてきた。


サルニコフは好きな選手で、このブログの最初の記事がこれだ。
オリンピックの記憶(1)ウラジミール・サルニコフ
参考記事
女子の世界記録に負けていた男子の1500m日本記録

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November 19, 2010

男子メドレーリレー 辛くも5連覇

広州アジア大会の競泳は、日本勢は予想以上の苦戦を強いられた。
全38種目の内、日本が手にした金メダルは9個。
中国は2倍以上の24個
前回ドーハ大会は16個で同数だったが、今回は随分と引き離された。

昨夜の男子の400mメドレーリレーは、日本が中国に20年ぶりに敗れたかと思った。
が、中国の第一泳者と第二泳者の引き継ぎ違反があり、日本に金メダルが転がり込んできた。

この種目で日本は、五輪や世界水泳で5大会連続でメダル(銀か銅)を獲ってきた種目であるが、昨年ローマで行われた世界水泳で途切れている。
以下が2003年から2009年までの泳者と記録である。
ご覧いただければ一目瞭然 メダルを獲ったときは北島康介がいたのだ。

北京五輪以降北島は休養期間に入り、ローマの世界水泳は立石諒が泳いだ。
記録こそ3分30秒91と好記録を残しているが、これは高速水着のおかげ。
ここのところ好調だった日本の競泳チームの世界の中での地位が、少しずつ下がってきている訳で、今回のアジア大会でも如実にそれが出ている。

100m、200m、400mで優勝した朴泰桓(韓国)に1500mで勝った孫楊(中国)は、198センチ19歳だそうだ。
しかもタイムは14分36秒43!
ロンドン五輪の自由形は、日本を除くアジア勢に席巻されるかもしれない。

●世界水泳・五輪の400mメドレーリレー
2009年ローマ世界水泳
⑦古賀淳也、立石諒、藤井拓郎、原田蘭丸 3分30秒91
2008年北京五輪
③宮下純一、北島康介、藤井拓郎、佐藤久佳 3分31秒18日本新
2007年メルボルン世界水泳
②森田智己、北島康介、山本貴司、細川大輔 3分35秒16
2005年モントリオール世界水泳
③森田智己、北島康介、高安亮、細川大輔 3分35秒40
2004年アテネ五輪
③森田智己、北島康介、山本貴司、奥村幸大 3分35秒22日本新
2003年バルセロナ世界水泳
③森田智己、北島康介、山本貴司、細川大輔 3分36秒12日本新


●400mメドレーリレー アジア大会は5連覇だけど
2010年広州アジア大会
①立石諒、藤井拓郎、原田蘭丸 3分43秒10
2006年ドーハアジア大会
①宮下純一、北島康介、山本貴志、細川大輔 3分36秒52
2002年釜山アジア大会
①錦織篤、北島康介、山本貴志、奥村大輔 3分37秒45日本新
1998年バンコクアジア大会
①錦織篤、林亨、山本貴志、伊藤俊介 3分41秒98
1994年広島アジア大会
①小嶺英司、林亨、糸井統、松下幸広 3分41秒70日本新

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