アンチドーピング

August 08, 2017

ドーピングで1年間出場停止だった呂会会 女子やり投げメダルに挑む

世界陸上ロンドン大会5日目。
今日注目の種目は女子のやり投げ決勝だ。
日本から参加した海老原有希、斉藤真理菜、宮下梨沙の3選手の予選突破はならなかったが、注目の選手が一人いる。

中国の呂会会(Huihui Lyu)28歳だ。
呂会会は、今大会の予選でアジア新記録となる67.59mを投げ、1位で通過した。
2015年の北京世界陸上2位(66.13m)、リオ五輪7位(64.04m)など実績も十分、確実にメダルに絡んでくると思われる。

この選手の年別のベスト記録を見てみよう。

2017年 28歳 67.59m 世界陸上予選アジア新記録
2016年 27歳 64.04m リオ五輪7位
2015年 26歳 66.13m 北京世界陸上2位
2014年 25歳 なし
2013年 24歳 64.48m 
2012年 23歳 64.95m ロンドン五輪は63.70mで5位
2011年 22歳 58.72m
2010年 21歳 55.35m

22歳まで平凡な記録の選手だったのが、23歳の2012年に自己ベストを6m以上伸ばしている。
一方、2014年には競技会に出場していない。
果たして何があったのか?

2013年4月27日に、ヒドロクロロチアジドに陽性であると認められ、2013年5月24日から2014年5月23日まで1年間の出場停止処分を受けていたのだ。

ヒドロクロロチアジドはそれ自体が性能向上薬ではないが、性能向上薬の使用を隠すために使用され、「特定物質」として世界アンチ・ドーピング機関に分類されている。

恐らくは呂会会の場合、何らかの禁止薬物を使用し、それを隠すためにヒドロクロロチアジドを服用していたということのようだ。

今、陸上界はドーピング違反者に厳しい目が向けられている。
先日、ウサイン・ボルトに勝ったジャスティン・ガトリンが過去にドーピング違反をし、出場停止となった経験があることから、優勝しても祝福されないと伝えられている。
セバスチャン・コーを生んだ国だからか?
英国の陸上ファンは、特にドーピングに厳しいという。

元10種競技日本王者の武井壮氏がこんなツイートをしている。

呂会会はこのケースに該当するではないか。

呂会会がメダルを獲った時、ロンドンの陸上ファンはどう反応するのだろうか。


追記
●2017年8月8日 呂会会は銅メダルだった。
1位 バルボラ・シュポタコバ(チェコ) 66.76m
2位 李玲蔚(中国) 66.25mPB
3位 呂会会(中国) 65.26m

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July 04, 2016

アリソン・フェリックスも届かない、陸上女子400mの永遠に破ることのできない世界記録

米国では,、リオデジャネイロ五輪の選考会が,、陸上競技でも行われている。
けがが心配されたアリソン・フェリックスが400mに出場、49秒68で制し、4大会連続の五輪を決めた。
アリソンは、リオ五輪本番では200mと400mの金メダルを目指す。

アリソンのこの日のタイム49秒68は今季世界1位であるが、彼女の自己ベストは昨年の北京で行われた世界陸上で出した49秒26。
とんでもなく凄い記録なのだが、世界記録よりも1秒6以上遅く、世界歴代17位でしかない。
世界記録の47秒60を出したのは東ドイツ(当時)のマリタ・コッホ。
1985年にオーストラリアの首都キャンベラで陸上W杯が開催されたときの記録だ。

Josi400m

この前年にロサンゼルス五輪が行われたが、ソビエトをはじめとする共産圏と呼ばれた国々の多くは、モスクワ五輪の報復ボイコットをし、多くの選手が涙を飲んだ。
この当時世界陸上は4年おきに開催されており、東独スポーツ科学の成果を晴らす大会としてキャンベラのW杯がターゲットにされたのだろう。
YOUTUBEに動画があったが見てほしい、とにかくすごい走りだ。
このレースで2位になったオルガ・ブリズギナ(ソビエト→ウクライナ)も48秒27(世界歴代4位)の凄い記録を出している。

マリタ・コッホ(当時・東ドイツ)が「薬物を使用していた」という証拠は見つかっている。
が、コッホの記録が抹消されるとか、取ったメダルがはく奪されるとか言った話はない。

実は、このキャンベラの大会の100mにベン・ジョンソンが出場し、10秒00で勝っている。
昨年12月23日の朝日新聞に、ベン・ジョンソンのインタビューが掲載されているのだが、この大会の話しもしている。
自らのドーピングは、この大会のマリタ・コッホがきっかけだと言いたいようだ。

私は84年ロサンゼルス五輪の100メートルで銅メダルを取った。その翌年、オーストラリアで開かれた陸上ワールドカップの女子400メートルで、東ドイツのマリタ・コッホが47秒60というとてつもないタイムで走った。30年経った今も破られていない世界記録だ。この大会で10秒ちょうどで優勝した私は、コーチのチャーリー・フランシスと一緒にそのレースを見ていた。ゴールした後、チャーリーは「今まで誰もドーピングをしていないと思っていたけど、東ドイツで何が起きているかわかった」と私に言ったんだ。

ベン・ジョンソンが一度は優勝しながら失格したのはソウル五輪。
同じソウル五輪の女子100mに金メダルを獲ったのは、フローレンス・ジョイナー。
この2人のソウルまでの道のりはよく似ている。
ジョイなーの金メダルの記録は10秒54(追い風)だが、同じ年に10秒49という驚異的な世界記録を出している。
ソウルの4年前のロサンゼルス五輪には200mに出場、22秒04の記録で銀メダルを獲っているが、東ドイツ勢が出ていないから銀メダルが獲れたと言われた。 
ソウル五輪の200mには21秒34の世界新記録で金メダルを獲った。
(このあたりの経緯もベン・ジョンソンにそっくりだ。)
ジョイナーの100m、200mの記録はもちろん今も世界記録だ。

だが、あまり知られていないが、ジョイナーのソウル五輪で最も凄かったのは、専門でないのに出てきた4×400mリレーではないだろうか。
これもYOUTUBEに動画がある。

結果から言うと、ソビエトチームが3分15秒17の世界新記録で金メダル。
メンバーはタチアナ・レドフスカヤ、オルガ・ナザロワ、マリヤ・ピニギナ、オルガ・ブリズギナ。
一方の米国は、ディニアン・ハワード、ダイアン・ディクソン、バレリー・フックス、フローレンス・ジョイナーのメンバーで3分15秒51で銀メダル。
この2つの記録は28年経った今も世界歴代1・2位の記録として残っている。

しかも

ソビエトのアンカー、オルガ・ブリズギナは47秒81、米国のアンカー、フローレンス・ジョイナーは48秒08で400mを走った。

もちろん、リレーの記録と単独種目の400mの記録を比較することはナンセンスだが、このレースは五輪史に残るレースと言ってもいいだろう。

IAAFに今も残るフローレンス・ジョイナーのプロフィールのページに400mの記録はない。
400mの世界歴代100傑の中にもジョイナーの名前はない。
ジョイナーは公式な大会で400mを走ったことはほぼないのだ。
にも拘らず、五輪の4×400mリレーの決勝にアンカーとして出てきて、48秒で走ってしまうとは…。

オルガ・ブリズギナもフローレンス・ジョイナーもドーピングの疑惑はあるものの、発覚したことはない。
が、ジョイナーはソウル五輪の10年後、1998年9月21日に心臓発作で急死した。享年38歳。

オルガ・ブリズギナの娘で、陸上短距離選手になったエリザベタ・ブリズギナは、ウクライナ代表としてロンドン五輪の4×100mリレーに出場、銅メダルを獲ったが、アナボリックステロイドの使用のために2013年から2015年まで2年間の出場停止処分を受けている。

やはりドーピングの闇は深いのだ。

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January 12, 2016

陸上円盤投げ女子の永遠に破ることのできない世界記録

英国陸上競技連盟(UKA)は11日、陸上界にはびこるドーピングや汚職スキャンダルを受けて、すべての世界記録を見直すことなどを求めた。UKAは、「クリーンな陸上競技のための宣言書」を掲げ、重大な薬物違反は永久追放処分にすべきであると主張している。【AFP=時事】

英国陸上競技連盟はいいことを言った。全面的に賛成だ。
昨年、ロシア陸上競技連盟が組織的なドーピングを隠蔽し、今年のリオ五輪に出場できない可能性もあることは、ご存じだろう。
今年に入って早々に、あまりドーピングとは縁がないように思われていたオランダの元選手が衝撃的な告白をした。

1984年ロサンゼルス五輪の陸上女子円盤投げの金メダリスト、リア・スタルマン(オランダ)が8日、地元テレビ番組で現役時代のドーピングを告白した。現役引退前の約2年半、筋力増強作用のあるアナボリックステロイドを使用したという。AP通信などが報じた。 ロス五輪後に引退した64歳のスタルマン元選手は「東欧の選手に対抗するためにドーピングを始めた。 当時は抜き打ち検査もなかったのでリスクがなかった」と述べたと言う。【共同】


このブログでは、随分前から1980年代の陸上競技、特に女子は、ドーピングによると思われるとんでもない記録が世界記録として残り、『永遠に破られることはない』と指摘している。
女子の円盤投げは、灰色の種目の最たるものだ。

Embabrank

女子円盤投げの世界歴代記録をご覧いただきたい。
1位から10位まですべてが1984年から1989年にかけて作られた記録であり、6人の選手が旧東ドイツ、残りの4人も共産主義だった東欧圏だ。
彼女らが記録を出した大会は自国もしくは隣国での大会、それだけドーピング検査が緩かったということだ。

先のドーピングを告白したスタルマン女史だが、自己ベストは1984年、ロス五輪の直前に出した71m22、この記録が世界歴代17位で、ロス五輪で金メダルを獲った時の記録はなんと65m36でしかない。
繰り返すが、ロス五輪で引退した彼女は、『現役引退前の約2年半、筋力増強作用のあるアナボリックステロイドを使用した』。
1982年からロス五輪までクスリ漬けになっても65m36しか投げられないのだ。
ロス五輪は、ご存じのように東側諸国がボイコットした大会で、女子円盤投げも本来のメダル候補が全く参加しなかった大会であり、スタルマン女史の金メダルは偶然の賜物でしかない。

IAAFが世界記録の見直しをしない限り、人類最後の日まで世界記録保持者であろうガブリエレ・ラインシュ。
1988年のソウル五輪。
東ドイツ、ソ連といった東欧諸国は、8年ぶりに五輪に参加した。
東ドイツから女子円盤投げにエントリーしたのは、マルティナ・ヘルマン、ダィアナ・ガンスキーとガブリエレ・ラインシュ。

マルティナ・ヘルマンの実績は抜群だった。
1983年の第1回世界陸上ヘルシンキ大会で優勝(68m94)、1987年第2回世界陸上ローマ大会で優勝(71m62)、そしてソウル五輪も72m30で制した。
ローマとソウルの記録はそれぞれ大会記録として今も残っている。
一方の世界記録保持者としてソウル五輪に臨んだガブリエレ・ラインシュは、70mを超えることができず、67m26がやっと、7位で五輪を終えた。
とは言え、記録をよく見てほしい。
2年半クスリ漬けだったリア・スタルマンのロス五輪金メダル記録65m36を2m近く超えているのだ。

東ドイツやソ連といった国がどれだけ組織的なドーピングしていたかが判るだろう。

2012年のロンドン五輪。
女子円盤投げの競技終了後の結果はこうだった。
  ①サンドラ・ペルコビッチ(クロアチア)69m11
  ②ダリア・ピシチャルニコワ(ロシア) 67m56
  ③李艶鳳(中国)67m22

ところが、2012年5月に採取したピシチャルニコワの検体からアナボリックステロイドのオキサンドロロンの陽性反応が検出された。IAAFは出場停止処分とし、2013年4月には、ロシア陸上競技連盟は10年間の出場停止処分とし、2012年5月以降の記録抹消とした。
そして、ロンドン五輪で獲得した銀メダルを剥奪した。
その結果、メダル獲得者は下記のようになった。

  ①サンドラ・ペルコビッチ(クロアチア)69.11m
  ②李艶鳳(中国)67.22m
  ③ヤレリス・バリオス(キューバ)66.38m

ピシチャルニコワには大きな前科があった。
2007年の大阪世界陸上競技選手権大会では自己ベストを更新する65m78を記録し、銀メダルを獲得するが、ドーピング違反の嫌疑をかけられ北京五輪には参加できなかった。
北京五輪後の10月、ピシャルニコワは薬物違反があったと認定され、他の6人のロシア人選手とともに2年9か月の出場停止処分を受け、大阪世界陸上の銀メダルも剥奪された。

ピシチャルニコワ自己ベストは2012年の70m69。
もちろん、正式な記録ではなくなっているが、世界歴代21位に相当する。
この選手のような10年間の出場停止を受けるような、悪質なドーピングを繰り返す選手よりもベスト記録が上の選手が20人以上いるのが、陸上競技の世界なのだ。

先に書いたようにほとんど1980年代の永遠に破ることのできない世界記録は、当時の検体が残っていないため、今この時代にドーピングを立証することは難しい。
昨年、IAAF会長にセバスチャン・コーが就いた。
陸上競技のすべての世界記録を見直すこと スポーツ界に根付く多くのタブーを壊してきたコーの手腕に期待をしたい。


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November 11, 2015

陸上界激震 ロシア集団ドーピング発覚で五輪出場停止!?

今年の夏 北京で行われた世界陸上に見入っていた人ならアリシア・モンタノの名前を憶えているかもしれない。
モンタノは、昨年の6月の全米陸上に妊娠9ヶ月で、800mを走ったその人だ。
北京では予選で転んでしまい、結果は出なかったが、TBSの世界陸上の番宣?VTRには身重で走る映像が何度も使われたので、ああと思う人もいるだろう。

今、再びモンタノが注目されている。
というのもロシアの陸上界の組織的なドーピング問題が、にわかに騒がしくなってきた。
特にロンドン五輪女子800mの金メダリスト マリヤ・サビノワと銅メダリスト エカテリーナ・ポイストゴワ(ともにロシア)が失格となりそうなのだ。
2人分順位が繰り上がるかもしれない4位以降の選手はちょっとドキドキしているかもしれない。
その内のひとり、ロンドン五輪でこの種目5位だったのがアリシア・モンタノなのだ。
世界お中距離は層が厚く、モンタノも五輪のメダルは初めてとなる。

そして、世界中の陸上ファンが注目しているのは、あのキャスター・セメンヤ(南アフリカ)が銀メダルから金メダルに繰り上がるか?ということだ。
セメンヤは2009年のベルリン世界陸上の同種目の金メダリスト。
過去にいろいろあった選手なのだが、あまりセメンヤが金メダリストになることに複雑な陸上ファンも多いようだ。

●ロンドン五輪陸上女子800m決勝
①マリヤ・サビノワ (RUS) 1:56.19
②キャスター・セメンヤ(RSA) 1:57.23
③エカテリーナ・ポイストゴワ (RUS) 1:57.23

凄い数字をお見せしよう。
上記の3選手の800mのベスト記録とそれが世界歴代で何位であるかだ。

キャスター・セメンヤ 1:55.45 世界歴代13位
マリヤ・サビノワ 1:55.87 世界歴代22位
エカテリーナ・ポイストゴワ 1:56.67 世界歴代56位

世界記録はヤルミラ・クラトフビロバ(チェコスロバキア=当時)の1:53.28。
1983年の記録だ。
この当時のドーピングの凄さに比べれば、サビノワの1分56秒台なんてかわいいもんだ。

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November 25, 2014

1500m自由形五輪金メダリスト 孫楊のドーピング問題は適切な処置だろうか。

中国反ドーピング機関(CHINADA)は24日、孫楊が5月17日に青島で行われた仁川アジア大会の選考会を兼ねた中国選手権で、禁止薬物のトリメタジジンに陽性反応を示していたと発表した。
トリメタジジンは狭心症や目まい、耳鳴りなどの治療に使われる薬の成分だが、興奮剤としても用いられ、今年1月から世界アンチドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに加えられている。
ただ、競技期間中の服用が禁止されている薬物で、競技期間以外は服用が許されている。

 孫楊は、中国選手権で200m、400m、1500mの3種目に優勝した。
 5月12日 200m自由形 ①1分46秒04
 5月14日 400m自由形 ①3分45秒12
 5月17日 1500m自由形 ①15分01秒33

ところが、詳細は公表されていないが、17日の1500mのあとのドーピング検査でトリメタジジンに陽性反応が見つかったようだ。
通常こうした場合、優勝した3種目の記録は認められない。
そのため、アジア大会の中国代表の座も手にすることはできなかったはずだ。

ことしの2月に行われたソチ五輪でも、孫楊と同じくトリメタジジンが検出された選手がいた。
ノルディックスキー距離女子のマリナ・リソゴール(ウクライナ)にトリメタジジンが検出されると、IOCは、リソゴールを失格、大会から追放という処分を取っている。

ところが、孫楊の場合は、17日の1500m自由形の優勝が取り消されただけで、12日の200m、14日の400m自由形1位の記録はそのまま、しかも1500mも合わせて、3種目で孫楊を仁川アジア大会の中国代表に選んだのだ。
そして孫楊は、仁川アジア大会で400m、1500m自由形、4×100mリレーで金メダルを獲得している。
ドーピング違反が見つかったのが、中国の国内選手権であるため五輪とは異なるルールで処分を受ける、と言う言い方もできるだろう。
だが、それが国際大会(アジア大会)の選考レースである場合、その理屈は通らないのではないか。

そして、孫楊は5月17日から8月16日まで3カ月間の出場停止処分を受けた。
報道には書いていないが、中国の水泳協会か、中国の五輪委員会が出した処分だろう。
本人は7月に「治療目的で服用していたもので、トリメタジジンが禁止薬物ということは知らなかった」と釈明している。
心臓病の治療薬として服用していたと言っているそうだが、心臓に疾患を抱える自由形の選手を私は知らない
また、3カ月間の出場停止処分は短いとは思はないが、孫楊ほどの大選手に対する処分が、すぐに公表されず、アジア大会も終わって2カ月も経ってから公表されるとはあまりにおかしくはないだろうか?

北京五輪を成功させ、2022年冬季五輪の北京招致も確実視される中、不透明なドーピング騒動は、中国のスポーツ界にとってなにひとつ良いことはないと思うのだが…。



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October 13, 2010

北京五輪銅メダリストが英連邦競技大会でドーピング

現在インドのデリーで、英連邦競技大会が開催されている。
英連邦競技大会とは、かつての大英帝国がその前身となって発足した英国とその植民地であった独立の主権国家から成る緩やかな国家連合による競技大会のことをいい、五輪やアジア大会と同じ4年に一度開催されている。
アジアでの開催は、1998年のクアラルンプールについで2度目で、将来の五輪招致をめざすインドの試金石となっている。

そんな英連邦競技大会で陸上女子100mの金メダリストのドーピングが発覚し、メダル剥奪及び記録の抹消が決まった。
陸上女子100mは10月7日に行われ次のような結果だった。

1.OLUDAMOLA OSAYOMI (ナイジェリア)11.32
2.NATASHA MAYERS (セントビンセント・グレナディーン)11.37
3.KATHERINE ENDACOTT (イングランド)11.44

記録的には平凡な記録だ。
このOSAYOMIがどんな記録を過去に出しているか調べてみると

○北京五輪
100m 準決勝敗退 11.44(16人中13位)
200m 2次予選敗退 23.27
100×4リレーでは43.04を出して ロシア、ベルギーについで銅メダルを獲得している。
が、北京の100×4リレーは、アメリカ、トリニダード・トバゴ、フランスなどが予選で失格し、決勝ではイギリス、ジャマイカ、ポーランドが棄権もしくは失格した荒れたレースだった。
ナイジェリアにとっては棚ぼたの銅メダルだったのである。

それより以前、大阪で行われた2007年の世界陸上の100mでは、決勝に残るも8位(11.26)という結果が残っている。
いわば超一流ではない選手だ。
そのレベルの選手でもドーピングが普通に行われている。
その証拠にはならないだろうか。

OSAYOMIも含めて今大会でのドーピング発覚者は3人。
もともと英連邦大会は、英連邦域内における関係国間の結束を深め、親善に役立てようとの目的で始まったはずだ。
にもかかわらず、勝利至上主義の重圧によるドーピングのまん延など、抱えている課題は五輪と同じになっている。

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October 08, 2010

シェリーアン・フレーザーやっぱりドーピング

国際陸連は6日、北京五輪と09年世界選手権の陸上女子100メートル金メダリスト、シェリーアン・フレーザー(ジャマイカ)に、ドーピング(禁止薬物使用)違反で6カ月の出場停止処分を科した。
ロイター通信が報じた。
7月8日に暫定処分を受けており、競技会への出場は来年1月7日から可能になる(時事通信)。


シェリーアン・フレーザーについては、過去にドーピングの可能性があると当ブログで指摘したが、当たったようだ。
フレーザーは5月に中国・上海で行われたダイヤモンド・リーグ第2戦の検査で、鎮痛剤のオキシコドンに陽性反応を示した。
本人は禁止薬物とは知らず、歯の痛みを抑えるために服用したとしていた。

今後新たなドーピング違反が発覚するか、6ヶ月の出場停止のみで終わるのか注目していきたい。


筆者が指摘していた文章を再録すると下記のようになる。


シェリーアン・フレーザーは、昨年北京五輪の100mでは10秒78で金メダルを獲った。
この記録はトーリ・エドワードと並んで2008年のランキングトップの記録なのだが、実は2007年まで、彼女はは無名の選手だった。

2007年に大阪で開催された世界陸上、シェリーアン・フレーザーはジャマイカチームに帯同していたが、出場したのは4×100リレーの予選のみ。
リレーの決勝も、個人種目も全く出場しなかった。
100mの年ごとのベストは次のようになる。

2006年 11.74
2007年 11.31 ジャマイカ代表補欠
2008年 10.78 北京五輪金メダル
2009年 10.73 ベルリン世界陸上金メダル
▲1年間に0秒53縮めている

筆者は陸上競技の専門家ではないので判らないが、果たして女子選手が100mで、1年間に0秒5も縮めることなどあるのだろうか。
まるでジョイナーのようだ。

ジョイナーといえば、年度別の記録は今となってはなかなか出てこないが、銀メダルだったロス五輪と金メダルを獲ったソウル五輪の200mの比較が出来る。
1984年 ロス五輪銀メダル  22秒04
1988年 ソウル五輪金メダル 21秒34
▲4年間で0秒7縮めている


●参考記事
100mの自己記録を1年間に0.5秒も縮められるものか?

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August 18, 2009

100mの自己記録を1年間に0.5秒も縮められるものか?

2009wm

上の表が、陸上陸上女子の100mの歴代ランキングである。
現在の世界記録はフローラレンス・ジョイナーによって1988年に出されたもので、もう20年になる。
ジョイナーは、元々大した選手ではなかったが、ソウル五輪を前に急に強くなった。
当時も、現代も100mで10秒5を女子選手が切るなど考えられないと、生前からたびたび薬物疑惑が囁かれていたが、ソウルから10年後、わずか38歳の若さで心臓発作により急死している。
そのため、灰色の世界記録であるとしている研究者も多い。

ジョイナーに次ぐ記録を持っているのは、マリオン・ジョーンズ
2007年薬物使用を認め、2000年9月以降の記録は抹消、メダルは返還された。これ以前の記録は残っているのだが、薬物使用後と記録に大差ないことから、やはり黒に近い灰色の記録と目されている。

ドーピング疑惑を除いての世界最高、実質的な世界記録保持者と言われてきたのが、クリスティン・アーロン
昨年の北京五輪の100mで二次予選敗退をし、35歳で引退をした。
このアーロンの100mのベストが1998年の欧州選手権で出した10秒73だった。

この10秒73に昨日のベルリンの100mで優勝したシェリーアン・フレーザーが、並んでしまった。
シェリーアン・フレーザーは、昨年北京五輪の100mでは10秒78で金メダルを獲った。
この記録はトーリ・エドワードと並んで2008年のランキングトップの記録なのだが、実は2007年まで、彼女はは無名の選手だった。

2007年に大阪で開催された世界陸上、シェリーアン・フレーザーはジャマイカチームに帯同していたが、出場したのは4×100リレーの予選のみ。
リレーの決勝も、個人種目も全く出場しなかった。
100mの年ごとのベストは次のようになる。

2006年 11.74
2007年 11.31 ジャマイカ代表補欠
2008年 10.78 北京五輪金メダル
2009年 10.73 ベルリン世界陸上金メダル
▲1年間に0秒53縮めている

筆者は陸上競技の専門家ではないので判らないが、果たして女子選手が100mで、1年間に0秒5も縮めることなどあるのだろうか。
まるでジョイナーのようだ。

ジョイナーといえば、年度別の記録は今となってはなかなか出てこないが、銀メダルだったロス五輪と金メダルを獲ったソウル五輪の200mの比較が出来る。
1984年 ロス五輪銀メダル  22秒04
1988年 ソウル五輪金メダル 21秒34
▲4年間で0秒7縮めている

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July 11, 2008

ドーピングか実力か、陸上女子100m10秒台連発

下の上の表が、陸上女子の100mの歴代ランキングである。
現在の世界記録はジョイナーによって1988年に出されたもので、もう20年になる。
ジョイナーは、元々大した選手ではなかったが、ソウル五輪を前に急に強くなった。
10秒5を女子選手が切るなど考えられないと、生前からたびたび薬物疑惑が囁かれていたが、ソウルから10年後、わずか38歳の若さで心臓発作により急死している。
そのため、灰色の世界記録であるとしている研究者も多い。

ジョイナーに次ぐ記録を持っているのは、マリオン・ジョーンズ。
昨年薬物使用を認め、2000年9月以降の記録は抹消、メダルは返還された。これ以前の記録は残っているのだが、薬物使用後と記録に大差ないことから、やはり黒に近い灰色の記録と目されている。

ドーピング疑惑を除いて世界最高になるのが、フランスのクリスティン・アーロンが1998年の欧州選手権で出した10秒73。
アーロンは今年35歳、五輪の100mではいつも準決勝で敗れ、パリの世界陸上のリレー以外に世界タイトルを獲ったことがない。

現在もケガの回復が思わしくなく、北京五輪での活躍は厳しいと見られているが、このアーロンが、現在の女子短距離界をドーピングを示唆し、懸念される状況と言っている。
というのも今季の女子の短距離の充実振りがものすごいのだ。

昨年の大阪世界陸上の金メダリスト ベロニカ・キャンベルがジャマイカ選手権で10秒88を出しながら4位、北京五輪の100mの出場権を失った。
大阪の200mの金メダリストのアリソン・フェリックスも全米陸上の100mでは10秒96を出しながら5位、400リレーのメンバーにも入れなかった。
このレベルの高さは空前のことであり、真の世界記録保持者の地位を脅かされそうなクリスティン・アーロンが、牽制している状況なのだ。
果たして10秒台連発は、ドーピングによるものか、実力かあと一月で結果が出る。

女子100m世界歴代ランキング

記録

選手

国籍

場所

日時

10.49

フローレンス・G・ジョイナー

USA

インディアナポリス

16/07/1988

10.61

フローレンス・G・ジョイナー

インディアナポリス

17/07/1988

10.62

フローレンス・G・ジョイナー

ソウル五輪

24/09/1988

10.65 A

マリオン・ジョーンズ

USA

ヨハネスブルグ

12/09/1998

10.70

フローレンス・G・ジョイナー

インディアナポリス

17/07/1988

10.70

マリオン・ジョーンズ

セビリア世界陸上

22/08/1999

10.71

マリオン・ジョーンズ

成都

12/05/1998

10.71

マリオン・ジョーンズ

ニューオーリンズ

19/06/1998

10.72

マリオン・ジョーンズ

ニューオーリンズ

20/06/1998

10.72

マリオン・ジョーンズ

モナコ

08/08/1998

10.72

マリオン・ジョーンズ

ローザンヌ

25/08/1998

10.73

クリスティン・アーロン

FRA

欧州選手権

19/08/1998

10.74

マリン・オッティ

JAM

ミラノ

07/09/1996

10.75

マリオン・ジョーンズ

ローマ

14/07/1998

10.76

エヴェリン・アシュフォード

USA

チューリッヒ

22/08/1984

●女子100m今季世界ランキング

記録

選手名

国籍

大会

10.78

Torri Edwards

USA

全米陸上

10.80

Kerron Stewart

JAM

ジャマイカ選手権

10.85

Muna Lee

USA

全米陸上

10.85

Shelly-Ann Fraser

JAM

ジャマイカ選手権

10.87

Sherone Simpson

JAM

ジャマイカ選手権

10.88

Veronica Campbell-Brown

JAM

クレルモン

10.88

Veronica Campbell-Brown

ジャマイカ選手権

10.90

Torri Edwards

全米陸上

10.90

Lauryn Williams

USA

全米陸上

10.91

Veronica Campbell-Brown

ニューヨーク

10.93

Allyson Felix

USA

ドーハ

10.93

Marshevet Hooker

USA

全米陸上

10.94

Marshevet Hooker

ニューヨーク

10.94

Torri Edwards

全米陸上

10.95 A

Simone Facey

JAM

ボルダー

●参考記事
陸上女子の永遠に破ることのできない世界記録
マリオン・ジョーンズの消えるメダル 残るメダル

五輪招致史の正体 Kindle版
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October 10, 2007

マリオン・ジョーンズの消えるメダル 残るメダル

禁止薬物の使用を認め、現役引退を表明したマリオン・ジョーンズはシドニー五輪で獲得した5個のメダルを米国オリンピック委員会(USOC)に返還した。
5個の内訳は金メダルが100m、200m、1600mリレー。
銅メダルが走り幅跳び、400mリレー。

マリオン・ジョーンズの抹消される記録は2000年9月以降ということだから、これ以前の記録は残り、以降の記録は抹消、メダルは剥奪ということになるようだ。

ところが、残ることになる97年、99年の世界陸上の記録と、抹消されることになった記録と比べてみても大きな相違はない。
2000年以前からドーピング違反だったと見るべきか、クスリは記録に大きく影響していないとみるべきか・・・。

それにしても米国陸上界の薬物汚染は相当深刻だ。
シドニー五輪で3位に入った女子400リレーの4人の内、今回のジョーンズで失格者はなんと3人目だ。
1走 クリスティ・ゲインズ 2005年6月に2年間の出場停止
2走 トーリ・エドワーズ 2004年8月に2年間の出場停止
3走 ナンシーン・ペリー
4走 マリオン・ジョーンズ 2007年10月に2年間の出場停止

●五輪・世界陸上のマリオン・ジョーンズの消えるメダル 残るメダル

メダル

大 会

種 目

記 録

金→失格

2000シドニー五輪

100m

10.75

金→失格

同上

200m

21.84

金→失格

同上

4x400mリレー

3:22.62 

銅→失格

同上

4x100mリレー

42.20 

銅→失格

同上

走り幅跳び

6.92

1997アテネ世界陸上

100m

10.70

同上

4x100mリレー

41.47

1999セビリア世界陸上

100m

10.83

同上

走り幅跳び

6.83

金→失格

2001エドモントン世界陸上

200 m

22.39

銀→失格

同上

100 m

10.85 

金→失格

同上

4x100 mリレー

41.71

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