バレーボール

October 28, 2018

バレーボールの英才教育

世界バレーが終了して1週間経った。
日本女子の監督を務めていた中田久美は、2010~11年頃に毎日新聞にコラムを持っていたが、イタリアの選手育成について書いた記事が出てきたので紹介する。

Kuminakata

今大会で銀メダルを獲ったイタリア代表メンバーの内、4人が10代、その内3人がクラブイタリアに所属し、もうひとりのパオラ・エゴヌも昨季までクラブイタリアにいた。
*ラケーレ・モレッロ17歳 185㎝
*エレーナ・ピエトリーニ18歳 190㎝
*マリーナ・ルビアン18歳 195㎝
*パオラ・エゴヌ19歳 193㎝

才能のある長身選手がイタリア全国から集まり、英才教育がうまくいっているということだ。

中田久美監督自身、英才教育を受けてきたひとりだ。
東欧諸国や中国等が進めるステートアマ養成システムに危機感を感じていた、1968、76、88年に五輪監督を務めた山田重雄氏(故人)が、76年モントリオール五輪で金メダルを獲った後に、私財を投じて少女バレー塾を作った。その名を「LAエンジェルス」という。
1984年のロス五輪に一人でも選手を送り出せたらと言う願いを込めてのネーミングで、中田はその2期生だったと思う。
通っていた中学から当時日立バレー部のあった小平市内の中学校に転校、学校の部活動には参加することなく、山田氏の下でトレーニングを積んだ。
今でいうJクラブの下部組織みたいなものだ。
中学卒業後、中田のチームメイトはバレーボールの名門高に進学していったが、中田だけは山田氏が手許に置きたいと日立製作所に入社、高校は通信制のNHK学園高校に入学、15歳で実業団のバレー選手としてデビューした。
そして18歳のときにロサンゼルス五輪に出場、銅メダルを獲得。
以後、バルセロナ、アトランタと五輪出場を果たす。
が、「LAエンジェルス」で中田以外に、大成した選手はいないはずだ。
いつのまにかこのクラブはなくなっていった。

日本バレーボール協会(JVA)も英才教育をしようとしたことがある。
2005年度に大阪府貝塚市にJVAによって「貝塚ドリームス」が設立された。
貝塚市というのは、1964年の東京五輪の大半の選手が属していたニチボウ貝塚にあやかったものだが、2012年に解散を余儀なくされた。
この理由として日本代表になる選手が出ず、費用面も含め事業の成果が出なかったことが挙げられている。

(続く)

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October 18, 2018

世界バレー赤字見込みの記事に対して

14日の朝日新聞朝刊にこんな記事が載った。
世界バレー、TBSが億単位の赤字見込み CM収入低迷

連日バレーボールの中継を楽しみにしている人にすれば、ショッキングな内容だろう。
赤字は事実としても、少し補足をしてみた。

世界バレーボール選手権を開催できる国は限られる。
競技力、アリーナの数、経済力等を考えて、日本のほかは、ブラジル、イタリア、ポーランドと中国くらいしかない。
朝日記事にタイも関心があるとされている。
タイ女子の近年の人気と実力の向上(ジャカルタアジア大会は中国に次いで2位)は著しいと思うが、他国同士の対戦の集客力が未知数だ。

男子はともかく、女子の世界バレーはまず24か国の出場国が多すぎ。
女子は16カ国で良いのではないか。(1998年大会まで16か国参加)。
ちなみに、バスケットボールのW杯(旧世界選手権)は、男子24か国(但し19年大会から32か国)、女子16か国で行われている。

世界バレー男子の2002年大会を開催したアルゼンチンは、不入りで大会中に組織委員会が破綻し、JVA(日本バレーボール協会)が補填したという経緯がある。
この大会以降、世界バレーの日本開催が多くなった。
女子98、06、10、18年
男子98、06年
W杯バレーの日本開催を続けている都合上、これ以前は、世界バレーの日本開催は遠慮していた気がする。

今年の世界バレーで、使用した会場は6会場。
2006年大会で、主会場だった代々木競技場第一体育館、東京体育館が再来年の東京五輪のため会場整備の影響で使えず、横浜アリーナが代替した。
横浜アリーナは、東京五輪のバレーボールのメイン会場に決まりかけたが、横浜はサブコート2面を用意できないため断念。370億円かけて新設の有明アリーナを作ることになった因縁のアリーナだ。

2006年世界バレーの会場
 代々木競技場第一体育館 収容13,291人
 東京体育館 収容10,000人
 浜松アリーナ 収容8,000人
 松本市総合体育館 収容7,000人
 大阪市中央体育館 収容10,000人
 日本ガイシホール 収容10,000人

2018年世界バレーの会場
 北海きたえーる(北海道立総合体育センター) 収容8,000人
 横浜アリーナ 収容12,000人
 グリーンアリーナ神戸収容 6,000人
 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館) 収容8,200人
 日本ガイシホール 収容10,000人
 浜松アリーナ 収容8,000人


収用人数の大きいホール使いすぎが赤字の原因という説もあったが、2006年大会とほぼ同じ。
今大会は9月30日に、台風の直撃に遭い、鉄道が9時で止まってしまうというアクシデントがあったが、
その日を除き、入場者数が大きく落ちたということはない。
今大会の大きな相違点は、運営助成金としてFIVB(国際バレーボール連盟)から JVA に支払らわれていた2億円がなくなったこと。
さらに、これまでJVAの負担が50%だった外国チームの日本滞在の宿泊費、移動費が、全額JVAの負担になった。

恐らくJVAの赤字はこれだろう。
ただ、大会開催が決まった2014年から判っていたことだ。

TBSの負担は、2006年の放映権等が、男女合わせて23億円だったのが、今大会は女子のみで20億円になっている。
つまり、テレビで放送した試合数は半減したが、放映権はあまり変わらない。
そして、2006年の男子大会は、日本代表が8位に入る健闘を見せて盛り上がったため、関連収入が良かったというおまけも付いた。
2010年大会は女子のみの開催だったが、何と言っても日本が3位に入り盛り上がった。

世界バレーの視聴率は、サッカーW杯と箱根駅伝を除けば、今年最も高く、平昌五輪の一部の競技よりも高いはず。
それなのにスポンサー収入が集まらないというのは、それ以外の問題。
恐らくは日本のテレビ業界が時代についていけないのか、もしくは、企業の業績よくても国内消費は全く伸びてないので、CM打っても意味ない、テレビのCM効果に疑問が出ているということ。

FIVBの公式スポンサー
 Mikasa(ボール・日本)、
 Senoh(体育施設機器器具メーカーでミズノの子会社・日本)、
 Gerflor(床材メーカー・フランス)、
 DBシェンカー(物流会社・ドイツ)
 アシックス(スポーツウエア・日本)の5社だったが、この世界バレーの大会期間中に中国のGantenが加わった。
Gantenは清涼飲料水(ミネラルウォーター)の会社らしい。
今後バレー界において、中国の存在感が増すのは間違いない。

今年の世界バレーの男子大会にいいヒントがあると思う。
男子大会は、史上初めてイタリアとブルガリアの共催で行われた。
イタリアは、開幕戦を除くすべての試合を21:15開始、
ブルガリアは、全試合が20:40開始で、これは今回の日本女子と全く同じ開催国特権を行使。
ブルガリアは、アジア最強のイランに敗れるなどし11位。
イタリアは、第3ラウンドでセルビアに0-3で敗れるも、優勝したポーランドに3-2で執念の勝利を見せる。が、勝ち点の差で準決勝の4か国に入れず5位にて終了。
ちょうど今大会の日本女子と同じ状況だ。

イタリアは、ブラジル、ポーランドと並んでバレーボールの国内リーグの盛んな国。
目の肥えたファンが多いのだろう。
イタリアの出た試合は、何れも1万人前後の観客が詰めかけ、準決勝、3位決定戦、決勝の決勝トーナメントは、イタリアが出なかったにもかかわらず、12,000人の観客で埋まった。
とは言え、強豪でない国の対戦などでは、観客が1,000人に満たない試合もあった。

観客動員については、ほぼ、日本での今大会と同じようなものだ。

どの競技も男子に比べて女子の人気は低い中、1万人の人を集めるのはなかなかできない。
先日、スペインで開催された女子バスケットのW杯は、世界バレーの1/3程度の集客だ。
2022年の世界バレーは中国でやればいいと思うが、日本がどうしてもというなら日中で共催すればいい。
単独開催に比べて負担は半減、集客は2倍になる。

2019年に日本でW杯バレーが開催されるが、従来のような五輪出場権をかけた大会ではなくなる。
東京五輪のバレーボール出場12か国(男女とも)は、
 1.開催国日本
 2.2019年に行われる世界予選(ランキング上位24チームを6組×4で各組優勝国が五輪)
 3.2020年1月に行われる各大陸予選(優勝国が五輪)
で決まる。
五輪開催年の春に日本で開催されてきたOQT(五輪最終予選)は、2020年にはない。
東京五輪がバレーボールの日本偏重を正す、きっかけになれば良いと思う。

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October 02, 2018

世界バレー ユニフォームの「日本生命」の謎

現在開催中の世界バレー、全日本女子チームのユニフォームの正面には日本生命、両肩にはサロンパスのロゴが張られている。
五輪であれば、競技会場内に一切の広告は禁止、ユニフォームはそのメーカーのロゴひとつのみ可能となっているが、世界選手権(というよりも五輪以外の国際大会)はかなり自由なコマーシャル活動が可能だ。

Volley2018

とはいえ、バレーボールの全日本のユニフォームに企業のロゴが入るようになったのは、それほど古い話ではない。
記憶に間違いがなければ、1995年のW杯が最初だったのではないかと思う。

このとき全日本女子のユニフォームにはCocaColaが、全日本男子のユニフォームにはSamsungのロゴが踊っていた。

いまでこそ、世界中で圧倒的な存在感を示すサムスンだが、当時はまだまだ技術も、ブランド力も日本企業には遠く及ばない状態だった。
日本におけるブランドイメージ定着をねらうキャンペーンの一環として、全日本バレーのゼッケンスポンサーになることになった。

ところが、この大会には韓国代表も参加していたため、当然日本対韓国の試合があった。
もちろん、事前に決まっていたことなのだろうが、日韓戦の日本のユニフォームのみ、サムスンのロゴはなかったのである。
ちなみに3-0で日本がストレートで韓国を下している。

現在であれば、世界中で様々なスポーツ団体、クラブのスポンサーを務めるサムスンが、日本戦のみスポンサーを降りるなどということはあり得ないだろう。
サムスンが、IOCのワールドワイドオリンピックパートナーに加わったのは1998年の長野五輪からで、この当時はあのあたりのノウハウがなかったのだろう。

女子バレーは、2000年のシドニー五輪では、出場権が獲れず、人気も低迷。
2002年の世界バレーではスポンサーなし。
2003年のW杯ではHEIWA(株式会社平和)がスポンサーに就くが、この会社はいわゆるパチンコ関連であり、日本代表のスポンサーとしてどうか?スポンサー選定にあたり相当苦労しただろうことが伺える。
が、この大会でメグカナこと栗原恵と大山加奈、さらには当時高校2年生だったが木村沙織が全日本デビューを果たし、大きな注目を浴びることになる。

一方、女子より先に行われ、ポーランドの2連覇で幕を終えた男子の世界選手権。
1次ラウンドで敗退した男子全日本のユニフォームにはスポンサーはなかった。
海外(イタリア・ブルガリア共催)の大会であり、BS-TBSを中心とした放送で、露出が少ないと判断され、スポンサーが付かなかったと思われる。

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September 20, 2018

世界バレー男子 1次リーグ敗退も実は健闘した?

2018年世界バレーボール選手権(イタリア・ブルガリア共催)男子全日本は、1次リーグ最終戦のアルゼンチン戦に3-2で勝利するも、A組5位となり上位4カ国が進む、第2次ラウンドに進むことはできなかった。

今回の戦績について史上最低と新聞等に書かれている。
確かに「もう少し勝てたかな」と思うが、ドミニカ共和国とアルゼンチンに勝利し2勝3敗。
1990年以降の大会で3勝以上したのは2006年大会(4勝・日本開催)の一度しかなく、2番目の勝利数だった。

だいたい、前回2014年のポーランド大会には、アジア予選で敗退し、史上初めて参加できないという事態だったことから考えれば「健闘した」のかもしれない。

アジア・オセアニアからはイラン、豪州、中国が今大会に参加しているが、リオ五輪5位のイランがD組で4勝して順当に2次ラウンドに進出、豪州は2勝3敗ながらC組4位で辛くも2次ラウンドへ。
中国は0勝5敗で大会を終えている。

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September 17, 2015

なんだかおかしいバレーボール世界ジュニア選手権

男子バレーに注目が集まっている。
女子に続いて開催されている男子のW杯バレーで、全日本が健闘している。
7戦して5勝2敗。
1995年大会で7勝を挙げており、そのときに次ぐ5勝目だそうだ。

ほとんどニュースになっていないが、この時期バレーボールの(公式な)国際試合が並行して行われている。
一つはプエルトリコで行われている女子の世界ジュニアU20選手権、もう一つはメキシコで開催中の男子の世界ジュニアU21選手権だ。

男子の世界ジュニアに問題がある。

昨年10月 世界ジュニアの予選を兼ねたアジアジュニア選手権がバーレーンで開催された。
アジア代表として、世界ジュニアに進めるのは上位4か国。

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まず参加資格
1995年1月1日以降に生まれた者とある。
現全日本の選手でこれに該当する選手が2人いる。
石川佑希と高橋健太郎だ。
このときの全日本ジュニアに石川、高橋はレギュラーとして参加している。
石川がいるのだから、アジアを勝ち抜くくらい楽なもの、そのときは本当にそう思っていた。
が、なんとクォーターファイナルラウンド(1-8位決定戦)で韓国にストレートで敗れた。
5-8位決定戦に回り、カタール、台湾に勝利し、何とか5位で大会を終えた。
世界ジュニア出場はならなかったのだ。

最終順位
1位: イラン
2位: 中国
3位: 韓国
4位: バーレーン 以上世界ジュニア出場権獲得
5位: 日本

ところが、今年の7月になってJVAのサイトにこんなインフォメーションが載せられた。

全日本ジュニア男子チームは、昨年2014年にバーレーンのマナーマで行われた第17回アジアジュニア男子選手権大会(U-20)で5位となり、アジア代表としての出場権を獲得できませんでしたが、メキシコと大陸代表を除いてFIVBジュニア男子世界ランキングで上位6チームに入ったため、本大会の出場権を獲得しました。

なんと、アジアジュニアから出場権を得たのはイランと中国のみ。
日本は世界ランキングで、韓国とバーレーンを上回り出場権を得たという。

http://www.fivb.org/en/volleyball/VB_Ranking_U21_2014-12.asp

おいおい、話が違うじゃないか。
アジアジュニアの上位4位という当初のルールはいったいどこへ行ってしまったのか。
しかもこの世界ランキングは、各大陸選手権(日本の場合は2014年のアジアジュニア)の結果よりも、2013年に行われた世界ジュニアの順位にウェイトが置かれている。

ということは、前回の世界ジュニアに出ていない国は、ランクが低くなる。
2013年世界ジュニアで日本は10位、韓国、バーレーンは出場できていない。
そのため、日本が出場権を得たようだ。

スポーツにルールはつきものだが、このケースは途中で勝手にルールが変えられている。
いつものように日本が元凶になって、世界のバレー界が歪められている。


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October 08, 2014

世界バレーの謎

イタリアで女子の世界バレー選手権が開催中だ。
と言っても全日本は2次リーグで敗退、7位タイで競技を終了している。
前回大会の4年前は、日本開催で3位に入り、32年ぶりの銅メダルを獲得と騒がれた。
今年のテーマは「世界一にチャレンジ」ということだったが、1次リーグに中国にフルセットで敗れたことが致命傷となりメダル争いに加わる前に姿を消した。

独占放送権を持つTBSは、夕方から23時頃までアジア大会の中継をし、ニュース23を挟んで午前零時頃から世界バレーの日本戦を生中継するというスケジュールを取った。

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そう。
イタリア開催であるにも関わらず日本時間の0時前後、イタリア時間の17時前後から、連日日本の試合があったのだ。
唯一の例外は対イタリア戦。この日のみは午前3時から(イタリア時間の20時から)の試合だった。
日本時間の0時であれば、深夜や昼間に比べれば見てくれる人も多いだろう。
試合時間が約2時間として、終了時刻は午前2時頃。
毎晩付き合うのは無理としても、対戦相手によっては起きている、という人もいたのではないか。

フジテレビの藤山太一郎氏は、大会期間中にこういったツイートをしている。



要するに1次リーグの17時から試合というのはもちろん、2次リーグ以降はもTBSの意向で開催国のイタリア戦以外は、試合時間は動かせたという事。
フジテレビの人がなぜTBSの事情をツイートするかというと、来年はW杯バレーがあり、フジが中継をする。
TBSとフジテレビはバレーボールでは映像を貸し借りするなどの友好関係にあるのだ。

開催国イタリアは常にイタリア時間の20時から試合開始。
おそらくは、イタリアでもこのくらいの時刻がゴールデンタイムで、テレビ観戦がしやすい時間なのだろう。

一方で、アジアから参加した4か国の中で唯一3次リーグに駒を進めた中国は、午前10時半からの試合もあれば20時からの試合もあった。
コンディション作りには苦労しただろう。
けれどもこれが普通の海外での大会だ。


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December 06, 2011

男子バレー植田辰哉監督続投を考える

男子バレーがW杯で2勝しかできなかった。
史上最低の10位(12か国中)で、さらにその前のアジア選手権でも5位と惨敗していても、監督の植田辰哉氏が解任されることはないという。

植田氏は北京五輪で全敗しても、16年ぶりに全日本を五輪に導いたことを評価され、北京後も続投となった。
女子の真鍋政義氏も同様で、2人は4年間の契約を結ぶ、ロンドン五輪終了までがその任期だ。
ただ、丸々4年間を任せるのではなく、2010年の世界選手権で「その契約を見直す」とあった。

世界選手権で女子は32年ぶりのメダルを獲得し、真鍋氏は文句なく続投。
植田氏率いる男子は、昨年のイタリア世界選手権の1次ラウンドでイタリアとイランに敗れエジプトに勝って辛うじて2次ラウンドに進出したものの、アルゼンチンとフランスに完敗して2次ラウンド敗退、24か国中13位タイという成績を残した。

世界選手権で勝った国、負けた国に注目して欲しい。
今回のW杯でも、フランス(出場していない)を除いて対戦し、その勝ち負けは全く変わっていないのだ。
190センチ前後の日本が、2m以上が普通の外国勢とまともに打ち合って勝てるわけがない。
なのに工夫が全くない。
ジャンプサーブもレシーブも肝心なところで必ずミス、植田氏から適切な指示が出ないのは、全く世界選手権もW杯も同じだ。
では、何故植田氏は続投となったか?
世界選手権に続いて行われた広州アジア大会で、日本が思いがけなく優勝したからだ。

アジア大会の日本は、2次ラウンドでインドに2-3、韓国に1-3に敗れ、F組4か国中3位で決勝トーナメントに辛うじて進出した。
ところが、準々決勝では中国に3-0、準決勝で韓国に3-2、決勝でイランに3-1で勝ち、金メダルを獲ってしまった。
そこが評価されて植田氏続投になったと思われる。
だが、ここでもよく見て欲しい。
アジア大会の2次ラウンドで負けたインド、韓国には今年のアジア選手権でも同じような形で敗れているのだ。
素人目に見ても、2年続けて世界の強豪どころか、同じアジアのライバル国にも負ける植田ジャパンに、来年6月の世界最終予選までに成長する余地があるとは思えない。

今回のW杯で2位になって五輪出場権を手にしたのはポーランド。
ポーランドは2010年の世界選手権では、日本と同じ13位タイに甘んじたチームだ。
ところが、今年2月からポーランド代表を率いた監督はイタリア人のアンドレア・アナスタージ氏。
アナスタージ氏は、北京五輪の最終予選でイタリア代表を率いた人物といえば思い出す人もあるかもしれない。
そのアナスタージ監督の下ポーランド代表は、今年欧州選手権3位、ワールドリーグ3位、そしてW杯では2位に入った。
ポーランドは1976年のモントリオール五輪の金メダル国。
が、その後の世界の趨勢からは乗り遅れ、五輪には出たり出なかったりを繰り返していた。
いわば日本と似たところがある。
監督を変えたことによって再生できたよい例とはならないだろうか。
ポーランドは2014年の世界選手権開催が決まっており、ロンドン五輪でも古豪復活となりそうだ。

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November 22, 2011

田中JAPANに似ている植田JAPAN

男子バレーのW杯は今日3試合目を迎える。
これまでイランに1-3、アルゼンチンに2-3で敗れ、勝ち点は1。
日本以外の11カ国のすべてが日本よりも上位ランキングであることから、1勝もできないのではないか?といわれていたが、その可能性も否定できない。

現在の全日本監督の植田辰哉は、田中幹保の後を受け、2004年から監督を務めている。
この間アジア選手権は2005年優勝、2007年2位、2009年優勝、アジア大会も2010年に優勝。
そして2008年には男子全日本を16年ぶりの五輪に導いた。

が、このあたりから歯車が狂いだす。

北京五輪では選手起用、采配が悪く、1勝もできずに11位タイ。
今年イランで行われたアジア選手権ではインドや2軍に近い韓国に敗れ5位に沈んだ。
W杯前にはイタリアで単身活躍する越川優を全日本から外し、実績の乏しい八子大輔を加えた。
そして開幕。サーブ、レシーブにミスが多い中、早い攻撃を要求する余りセッターのトスが低くなり、スパイクミスを誘うか、相手のブロックにぶち当たる。

さらにレギュラーで活躍する選手の中に眉毛を抜いている選手がおり、顔を見るだけで応援しようという気力が萎える。


8年前の男子バレーもこれに近い雰囲気だった。
このとき監督を務めていたのは田中幹保。
自身は1976年、1984年とニ度の五輪をエースで参加した実績があるが、人を指導するのは苦手らしい。
自主性に任せるとでもいうのだろうか、練習でも、試合でも指示を出さない、語らない。(このあたりは植田とは違うのかもしれない)

2003年のアジア選手権では韓国、イランどころかインド、パキスタンにも敗れる醜態を見せ史上最低の6位。
当事者意識の薄い日本バレーボール協会も、W杯開幕を前に重い腰を上げた。
強化委員長だったミュンヘン五輪金メダリストの一人森田淳悟。
「緊急事態なので私が監督になって強化に当たりたい。今のチームより、みなさんに感動を与えられると思う」
とまで言い、田中を降ろそうとした。
ところが、森田が総監督を務める日体大バレー部が、全日本大学選手権で不正抽選を行っていたことが発覚、森田は協会に進退伺を提出、田中降ろしはできなくなった。

W杯では田中が引き続き監督を務め、開幕からエジプト、中国、カナダに3連勝するも、その後8連敗し9位に終わった。
田中JAPANのさらに下を行きそうな植田JAPANだ。

20032007


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November 15, 2010

女子バレー 3位決定戦視聴率は20.5%

世界バレーの最終日、日本が32年ぶりのメダルを獲得した米国との3位決定戦のテレビ中継(TBS系)の平均視聴率は20.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。
瞬間最高視聴率は35.9%。
また、日本がブラジルに惜敗した13日の準決勝のテレビ中継(同)は平均21.6%、最高29.1%だった。

スポーツ番組が押し並べて高い視聴率が獲れなくなっている今の時代、20%を超したことは特筆に価するのではないか。

今年の日本シリーズ ロッテ対中日とほぼ同じ数字だ。

日本シリーズ
第6戦 
平均視聴率も18・9% 瞬間最高視聴率27・9%

第7戦
平均視聴率20・6% 瞬間最高視聴率34・1%
(中継はいずれもフジテレビ)


●参考
第86回箱根駅伝
往路 1月2日(土) 27.2%
復路 1月3日(日) 27.9%
(中継はいずれも日本テレビ)

バンクーバー五輪
開会式 2月13日(土) 25.4%
フィギュア女子フリー 2月26日(金) 36.3%
女子チームパシュート決勝 2月28日(日) 20.5%
(中継はいずれもNHK)

FIFA W杯
日本対パラグアイ 6月29日(火) 57.3%
日本対カメルーン 6月14日(月) 45.5%
日本対オランダ 6月19日(土) 43.0%
日本対デンマーク 6月25日(金) 30.5%
(中継はオランダ戦はテレビ朝日 デンマーク戦は日本テレビ 他はNHK)

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November 14, 2010

日本バレー惜敗 ソウル五輪の準決勝を思い出した

今日の世界バレー日本対ブラジルの試合を見て思い出した試合がある。
ソウル五輪の準決勝ペルー戦だ。

ソウル五輪の日本は、初戦でソ連に3-2で辛勝するも、2戦目の東独戦は2-3で惜敗する。
準決勝を掛けた地元韓国戦には3-1で勝ち、準決勝進出を決めた。
準決勝の相手はペルー。

4年前のロス五輪では3位決定戦で対戦し日本が勝利、銅メダルを決めた。
(結局これが女子バレー最後のメダルになるのだが・・・。)

ソウル五輪のペルー戦、日本は1、2セットを落とし、ペルーに先行を許したが、よく粘り3、4セットを奪い、フルセットに持ち込んだ。
そして最終セットも12-9とリードしながら、勝負をあせって逆転された。

もうひとつの準決勝はソ連が中国に勝ち、銅メダルをかけた中国との一番で日本は完敗する。
日本は、ソウル五輪でのメダル獲得に危機感を持ち、引退していた丸山由美(旧姓江上)を現役復帰させたが、メダル死守はならなかった。
以後、五輪・世界選手権で日本が準決勝にすら進むことは2010年までなかった。

ペルー3(15-9 15-6 6-15 10-15 15-13)2日本
▲今見ると面白いスコアだが、もちろんラリーポイント制以前のサーブ権式での試合だ。

ペルーは地元開催の1982年の世界選手権で準優勝(日本4位)、86年3位、そしてソウル五輪では決勝でソ連に敗れたが銀メダルを獲得した。
1960年~70年代には加藤明氏(故人)、80年代には韓国人の朴万福氏が監督を務めた影響が大きく、南米には珍しく拾ってつなぐバレーをした。

予選リーグ
日本○3-2●ソ連
東独○3-2●日本
日本○3-1●韓国
準決勝
ペルー○3-2●日本
3位決定戦
中国○3-0日本

最終順位
①ソ連②ペルー③中国④日本

全日本メンバー
大林 素子、川瀬 ゆかり、佐藤 伊知子、杉山 明美、杉山 加代子、高橋 有紀子、滝澤 玲子、中田 久美、廣 紀江、藤田 幸子、丸山 由美、山下 美弥子

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