バスケットボール

July 02, 2012

女子バスケット五輪予選敗退から考える

女子バスケットの世界最終予選が終了した。
日本は、最後の1枠をカナダと争ったが63対71で敗れて、2大会ぶりの五輪出場はならなかった。

この大会はトルコのアンカラで行われ、5つの椅子を巡って12カ国が争うというシステムだった。
日本(世界ランク15位)は、トルコ(同21位)、プエルトリコ(同24位)と同じA組に入った。
トルコに敗れるも、プエルトリコに勝ち、五輪出場決定戦でチェコに敗れ、敗者復活初戦で韓国に勝ったものの、カナダに屈したということだ。


日本対トルコの試合をご覧になった方は気付いたであろうが、トルコには米国出身の196センチのセンター・ホリングスワースがいた。
アフリカ系であったためこの選手は目立ったが、他にもオランダ出身のEsmeral TUNCLUER 175㎝、ブルガリア出身のNevriye YILMAZ 194㎝がおり、12人中3人が外国出身だった。
これまで、五輪どころか、世界選手権にも出場したことのなかったトルコの女子バスケが、昨年の欧州選手権でロシアに次いで2位に入り、今回ロンドン五輪出場も決めてしまった。


日本でトルコといえば、ネスリハン率いる女子バレーボールが有名だが、トルコの女子バレーも実は近年急速に力を付けたチームで、ロンドン五輪が初出場となる。
ご存知のように、2020年夏季五輪にイスタンブールが立候補しているトルコにとって、各スポーツの国際競技力を上げることは、招致活動をスムースに進める要因になるのだ。


ロンドン五輪で日本が出場権を獲れた競技は、サッカー男女、女子バレー、女子ホッケーの僅かに4種目。
近年ではシドニー五輪の3種目に次ぐ少数だ。
もちろん、野球やソフトボールが正式種目から外れたことも原因だが、少子化や不況、様々な要因がある。
男子バレーの選手人口の減少は目を見張るものがあるし、男子ホッケーは五輪予選の日本開催を何度くり返しても、本番にたどり着けない。
そろそろ、帰化選手の代表入りを本気で考える時期だろう。


外国出身の技術の高い選手を招いて強化を計ることは、古今東西どこでもやっていることだ。
例えば、今年の1月に日本で行われた水球のロンドン五輪アジア予選で優勝し、五輪出場権を得たカザフスタンのGKは元ロシア代表でシドニー五輪で銀メダル、アテネ五輪で銅メダルを獲ったニコライ・マキシモフだった。
2年前にロシアからカザフに国籍を移したらしく、この夏はカザフ代表で4度目の五輪を迎える。


4年前の北京五輪のロシア選手団に、2人の変わったプロフィールの選手がいたことは、日本ではほとんど知られていない。
この2人というのは、アメリカからロシアに帰化したバスケットボールの選手のことだ。
ひとりは、ジョンロバート・ホルデン、JRホルデンと呼ばれるアフリカ系のピッツバーグ生まれのアメリカ人。
アメリカではプロのバスケットボール選手になれなかったホルデンは、ラトビア、ベルギー、ギリシアを経てロシアに渡り、名門CSKAモスクワに入団した。

CSKAは、2005-2006年シーズンにヨーロッパクラブ王者になり、このときのホルデンの活躍は、時のプーチン大統領の目に留まった。
ポイントガードに恵まれていなかった『ロシア代表のために帰化をしろ』、プーチンの後押しで、ホルデンは僅か10分でロシア国籍を取得、ロシア語も話せないままロシア代表に入る権利を手にした。
2007年の欧州バスケットボール選手権決勝 ロシアは地元スペイン相手に終了直前、ホルデンのシュートで1点差で勝利した。


肝心の北京五輪でロシアは9位に終わったため、ホルデンのことは話題にもならなかったが、アシストランキングでは2位になった。
一方、女子のロシア代表にはレベッカ・ハモンというやはりアメリカからロシアに帰化した選手がいて、ロシアの銅メダル獲得に貢献した。
この例からわかることは、ロシアはスポーツでの国威発揚のためには、比較的簡単にロシア国籍を出しているということだ。

2年後にソチ冬季五輪を控えたロシアは、さらに海外の有能なウインタースポーツ選手に門戸を広く開けた。
フィギュアスケート・ペアの川口悠子がロシア国籍を取得したことは、知っているだろう。
韓国からは、トリノ五輪のショートトラックで金3、銅1を獲得したものの、連盟から追われた安賢洙が、ロシアに新天地を求め、ソチ五輪をめざしている。

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September 26, 2011

ロンドン五輪出場権は中国へ 男子バスケット

ロンドン五輪の予選を兼ねた男子バスケットボールのアジア選手権は、決勝で中国がヨルダンを下して優勝、ロンドン五輪の出場権を手にした。
2位はヨルダン、3位には韓国が入り、来年行われる世界最終予選に五輪出場権を賭けることになった。
日本は、7位決定戦で台湾に勝って7位。
1976年以来の五輪出場は、またもならなかった。

2007年の北京五輪予選では10位、4年前に比べれば少し前進したようにも見えるが、実のところ五輪など問題外。
アジアの中では圧倒的な実力の中国、プロ化を測り急速に力をつける中東勢に対し、日本はすっかり取り残された形だ。

一方4年前、アジアの荒波の中で順位を下げ、五輪最終予選にも届かない7位に終わった韓国だが、今回は今年36歳になるムン・テジョンという名の選手を連れてきた。
Korea8
▲米韓ハーフのムン・テジョン

36歳で初代表か?

と一部で嘲笑されたが、ムン・テジョンの元々の名前はJarod Cameron Stevenson。
父親がアメリカ人で母親が韓国人のハーフ。
身長204cm、NBAを経て欧州リーグで活躍し、昨季から韓国でプレーしている。
元の国籍を維持したまま(ムン・テジョンの場合は米国籍)、各分野の優秀な人材に韓国籍取得を優遇する特別帰化制度を利用し、韓国代表に滑り込んだ特異なケースだ。
韓国の男子バスケットが最後に五輪に出場したのは1996年(12位)、プロリーグを維持するためにも五輪出場には必死である。
余談ではあるが、韓国は2018年平昌五輪のアイスホッケーにも当然、特別帰化制度を使ってくるだろう。

日本は、この韓国に対し1991年以降の20年間で2勝23敗
とくに1997年のアジア選手権のグループリーグで勝ってからは、14年間一度も勝っていないのだ。
ワイス団、桜木Jr。
これまで五輪予選にいた米国出身選手は今回はなし。
統合するはずのbj リーグとJBLの先は見えず。
高校時代に史上2人目の全日本候補になった田臥勇太は、結局一度も五輪予選に参加することなく30歳を超えた。


●第26回アジアバスケットボール選手権 中国・武漢
①中国 1980・84・88・92・96・00・04・08・12年と連続五輪出場。
②ヨルダン 世界最終予選出場権獲得
③韓国 世界最終予選出場権獲得
④フィリピン
⑤イラン
⑥レバノン
⑦日本
⑧台湾
出場16カ国 

*中国は1980年の五輪出場権を得ていたが、西側諸国同様に不参加を決め実際に出場はしていない。

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September 15, 2011

バスケットボール男子 ロンドン五輪予選今日開幕

今日15日から、バスケットボール男子のロンドン五輪アジア予選を兼ねたアジア選手権が、中国・武漢で始まる。
大会は予選を突破した16カ国・地域が参加し、優勝国は五輪出場権を獲得、2・3位は五輪開幕前に行われる世界最終予選に進むことになる。

日本男子が、最後に五輪に出場したのは35年前の1976年モントリオール大会。

何と北原、沼田の時代だ。

4年前の北京五輪予選を兼ねた07年大会で日本は8位に沈んだ。
とはいえ、昨年の広州アジア大会は4位。
ただ、このときにチームを引っ張った田伏勇太は脚の故障で代表から外れた。
一方柏木真介、川村卓也が代表復帰している。

中国が優勝の最右翼で、イラン、レバノン、韓国などが続く。
日本は何とか3位以内に入り、最終予選への切符を掴みたいところだが、道はかなり厳しい。

(日本代表)
松井啓十郎、竹内公輔、正中岳城(トヨタ自動車)、竹田謙、川村卓也、網野友雄(リンク栃木)、桜井良太(北海道)、石崎巧(日本協会)、柏木真介(アイシン)、広瀬健太(パナソニック)、太田敦也(浜松・東三河)、竹内譲次(日立)

石崎巧の現在の所属が日本協会になっているが、所属していたbjリーグ島根スサノオマジックは退団、今後はドイツに移籍するため協会所属となっている。
 
2012team

最も五輪から遠ざかっている競技はホッケーで44年。
バスケットは36年で2番目となる。
日本に於ける競技人口は、サッカーに次いで多いのだが・・・。

近年の五輪予選の状況をまとめてみた。

北京五輪予選 2007年7月  開催地:徳島 監督:鈴木貴美一
1次予選
日本対UAE 109-66
日本対レバノン 77-67
日本対クウェート 101-48
2次予選
日本対カザフスタン 85-93
日本対韓国 83-93
日本対ヨルダン 71-68
順位決定戦
日本対台湾 80-85
日本対カタール 82-86

①イラン②レバノン③韓国④カザフスタン⑤ヨルダン⑥台湾⑦カタール⑧日本 参加16カ国
*中国は開催国として出場権を得ていたため不参加。
1位のイランが北京五輪出場権を獲得。
レバノン・韓国は世界最終予選の出場権を獲得。
NBAグリズリーズにも所属した桜木ジェイアール(ジェイアール・ヘンダーソン)が日本国籍を取得、NBA経験者として初の日本代表入りとなった。
日本代表
佐古賢一、柏木真介、網野友雄、竹内公輔、桜木ジェイアール(以上アイシン)、折茂武彦、桜井良太(以上レラカムイ北海道)、五十嵐圭、竹内譲次(以上日立)、山田大治、青野文彦(以上パナソニック)、川村卓也(オーエスジー)


アテネ五輪予選 2003年9月 開催地:中国・ハルビン 監督:パブリセヴィッチ
①中国②韓国③カタール④レバノン⑤イランヨルダン⑥日本⑦カザフスタン⑧インド 参加16カ国
1位の中国がアテネ五輪出場権を獲得。
日本代表
古田悟、柏倉秀徳(以上三菱電機)、高橋マイケル、堀田剛司(以上新潟)、仲村直人、石坂秀一、青野文彦(以上松下電器)、渡辺拓馬、網野友雄(以上トヨタ自動車)、伊藤俊亮(東芝)、五十嵐圭(日立)、佐藤浩貴(専大)


シドニー五輪予選 1999年8月 開催地:福岡 監督:小浜元孝
①中国②韓国③サウジアラビアカタール④台湾⑤日本イランヨルダン⑥クウェート⑦レバノンカザフスタン⑧シリア 参加15カ国
1位の中国がシドニー五輪出場権を獲得。
高橋マイケルに加えて、204センチのワイス団が日本に帰化するも、山崎が大会直前に骨折するなど5位に終わった。
日本代表
山崎昭史(松下電器)、ワイス団、折茂武彦(以上トヨタ自動車)、塩屋清文(アイシン精機)、佐古賢一、高橋マイケル、佐久本智(以上いすゞ自動車)、長谷川誠(ゼクセル)、節政貴弘、北卓也(以上東芝)、古田悟(三菱電機)、宮ノ腰達也(大和証券)


アトランタ五輪予選 1995年6月 開催地:韓国・ソウル 監督:河内敏光
①中国②韓国③日本④台湾⑤カザフスタン⑥サウジアラビア⑦ウズベキスタン⑧キルギス 参加19カ国
日本代表
山崎昭史、三宅学、宮田幸典、石橋貴俊、佐古賢一、折茂武彦、後藤正規、阿部理、塩屋清文、長谷川誠、古田悟、高橋マイケル
アメリカ人の父と日本人の母を持つ高橋マイケル(当時20歳 カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)が、日本国籍を有することが判り、急遽日本代表に呼ばれた。

以下省略

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August 22, 2011

ロンドン五輪予選始まる 女子バスケット

ロンドン五輪まで1年を切り、球技の五輪予選がスタートしている。
長崎県大村市では、女子バスケットボールのロンドン五輪予選が昨日から始まり、世界ランク15位の日本は同55位のレバノンを77対49で下した。

この大会は2つのレベルに分かれて開かれ、上位(レベルⅠ)で優勝したチームにロンドン五輪出場権が与えられ、2・3位になったチームは世界最終予選に回ることになる。
参加国( )内は世界ランキング

レベルⅠ:日本(15)、中国(8)、韓国(9)、台湾(22)、インド(41)、レバノン(55)
レベルⅡ:マレーシア(40)、カザフスタン(46)、ウズベキスタン(48)、スリランカ(50)、シンガポール(56)、インドネシア(不明)

女子バスケットボールが五輪正式種目になったのは1976年。
以降9大会に日本は3回出場している。
最高位は1976年の5位だが、このときは参加6カ国の5位(但し、前年の世界バスケでは男女を通じて唯一のメダル獲得銀をしている)。
中国・韓国が強化しだした1980年~1992年は五輪の舞台に立つことすらできなかったが、1996年20年ぶりに出場したアトランタ五輪は7位入賞を果たした。
これは中国・韓国を押さえてアジア最上位であり、この大会9位に終わった女子バレーを上回る好成績だった。

今回の日本チームは191㎝・20才の大型センター 渡嘉敷来夢を擁しており前評判は高い。
が、直前のNZとの強化試合3試合を負傷欠場しており、現在の調子は不明。
また、中国の平均身長は189㎝あり、全員が渡嘉敷並 という情報もある。


●全日本の五輪戦績
1976年 5位(6カ国参加)
1980年 出場権獲れず
1984年 出場権獲れず
1988年 出場権獲れず 
1992年 出場権獲れず
1996年 7位(12カ国参加)
2000年 出場権獲れず
2004年 10位(12カ国参加)
2008年 出場権獲れず

●これまでの五輪予選
◎2007年6月北京五輪アジア予選 韓国・仁川
①韓国②中国③日本④台湾
韓国:北京五輪出場権獲得
中国:五輪開催国
*日本と台湾はともに世界最終予選へ臨むが敗れ、五輪出場はならなかった。

◎2004年1月アテネ五輪アジア予選 仙台
①中国②日本③韓国④台湾
中国・日本・韓国:アテネ五輪出場権獲得

◎1999年5月シドニー五輪アジア予選 静岡
①韓国②日本③台湾④中国
韓国:シドニー五輪出場権獲得

◎1995年7月アトランタ五輪アジア予選 静岡
①中国②韓国③日本④台湾
中国・日本・韓国:アトランタ五輪出場権獲得

◎1992年3月バルセロナ五輪アジア予選 ソウル
①中国②韓国③日本④台湾
中国・韓国・日本は世界最終予選に臨むが中国のみが五輪出場権を獲得

以下は省略

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May 19, 2010

MLBを超える大学バスケットの放映権

東洋経済5/15号「スポーツビジネス徹底解明」(下記)には興味深い様々なデータが出ている。
その内のひとつを紹介しよう。
スポーツ選手の年収ランキング2009年」だ。

①タイガーウッズ(米)ゴルフ 99.7億円
②フィル・ミケルソン(米)ゴルフ 53.0億円
③デビッド・ベッカム(英)サッカー 45.2億円
レブロン・ジェームス(米)NBA 42.4億円
⑤キミ・ライコネン(FIN)F1 40.1億円
⑥マニー・パッキャオ(比)ボクシング 40.0億円
⑦リオネル・メッシ(ARG)サッカー 39.9億円
⑧アレックス・ロドリゲス(米)MLB 39.0億円
シャキール・オニール(米)NBA 35.0億円
⑨フェルナンド・アロンソ(西)F1 35.0億円
⑨バレンティーノ・ロッシ(伊)オートバイ 35.0億円

世界中のスポーツ選手の中で、2009年に最も収入が多かったのはタイガーウッズ。
その活躍ぶりは今更だが、例の交通事故から不倫騒動が持ち上がったのが昨年11月のこと。
1月~11月までの収入でも2位以下に圧倒的な差を付けての1位にいる。

4位にレブロン・ジェームス、9位にシャキール・オニールがいる。
米国の4大プロスポーツといえばNFL,NBA、MLB、NHL。
4大スポーツの選手の収入が、もっとも高いのは、MLBでもNFLでもなく、NBAである。

NFLやMLBと異なり、 室内体育館=観客収容能力の少ないはずのNBAがなぜ多額の給料を払えるのだろうか。
その答えは次のようになる。

・五輪、W杯と同様に4大スポーツも、入場料収入よりもテレビ放映権料が大きい。
・NBAの放送頻度は高い。
・野球やフットボールは一チーム50人から100人の選手を抱えている一方、NBAは1チーム僅かに12人。どうしても1人あたりの収入はバスケットは高くなる。
・マイナーリーグの必要がない
例えば野球は、メジャー球団がマイナーリーグの選手を事実上養っている。
その点バスケットは、大学と高校で非常に盛んなスポーツであり、マイナーリーグがない。

4大スポーツ、五輪、W杯の放映権をまとめてみると下記のようになる。
(4大スポーツは1シーズン、五輪・W杯は1大会)

W杯南アフリカ大会 29億2100万ドル
ロンドン五輪 27~28億ドル
NFL 26億6000万ドル 
北京五輪 18億2600万ドル
バンクーバー五輪 11億ドル
NBA 9億2500万ドル
NCAAバスケット 7億7000万ドル
MLB 5億2600万ドル
NHL 1億2000万ドル 

米国人にとって、バスケといえばNBAとともに大学バスケットがある。
毎年3月は、全米大学体育協会(NCAA)1部男子バスケットボール選手権が行われ、その熱狂振りはマーチ・マッドネスと呼ばれている。
米4大テレビネットワークの一つ、CBSとケーブルテレビ局のターナー・ブロードキャスティング(TBS)は、NCAAとマーチ・マッドネスのテレビ放映権とインターネット配信権について新たに14年間で108 億ドルという契約を結んだ。
それまでの契約は同じくCBSと11年間で60億ドルだったが、(このときも随分騒がれたが)、今回はさらに高騰した。
ちなみにデューク大学が優勝した今年の決勝のテレビ中継は、全米で2390万人が見たとされる。
バンクーバー五輪のアイスホッケー決勝カナダ対アメリカの視聴者が、全米で2760万人だからその熱狂振りもわかるだろう。
(しかし、スーパーボウルの視聴者は1億人を超える)

特筆すべきは、大学スポーツが放映権料でMLB、NHLという4大プロスポーツを上回ったことだ。
米国がいかにスポーツ大国といえども、優良ソフトは決して多くない。
それゆえに希少コンテンツの価格は高騰する。
多チャンネル時代を迎えて、他局との差別化、ブランド化は一層厳しいはずだ。
そこでは高視聴率が約束されたイベントが必要になる。
ワールドシリーズ、スーパーボウル、ゴルフのマスターズと同様に大学バスケもその中にあるということだ。



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September 23, 2009

バスケットスペイン代表欧州を制す ここから見えてくるもの

ポーランドで開かれていた2009年バスケットボール欧州選手権男子(兼2010世界バスケ欧州予選)は、21日スペインが85-63でセルビアを破り、初の欧州王者となった。

マドリードの市役所前には、バスケの優勝を祝うとともに、これを2016年夏季五輪招致成功の前祝いとする20000人の市民が集まった。

バスケットの欧州選手権のニュースは、日本ではまず流れることはないが、欧州は今やアメリカと並ぶバスケットボールの本場である。
そしてスペインは、欧州バスケの中心である。

1992年のバルセロナ五輪 アーチェリーで聖火を点灯させたパラリンピック選手のアントニオ・レボジョに、聖火を引き継いだのがフアン・アントニオ・サン・エピファニオ。
バルセロナ市民が今も当時を懐かしむエピファニオは当時33歳。
スペインバスケット界のスーパースターであり、ロサンゼルス五輪銀メダルのメンバーの一人でもあった。

自他共に認める欧州のバスケ強国とはいうものの、なかなかビッグタイトルが獲れなかったスペイン代表だが、日本開催だった2006年世界バスケットボール選手権で初優勝、今年の欧州選手権が2つ目のビッグタイトルとなった。

このスペイン代表の快挙を見守った一人に、国際バスケット連盟(FIBA)会長のパトリック・バウマン(42歳=スイス)がいた。
バウマンは現役のIOC委員のひとりであり、10月2日にコペンハーゲンで2016年夏季五輪開催地を決めるために1票を行使する一人でもある。

一方、今年の8月には中国・天津で、欧州と同様に男子バスケットボールのアジア選手権が開催された。
出場したのは16カ国。
イランが大会2連覇を達成し、中国・ヨルダンとともに2010年世界選手権(トルコ)の出場権を獲得した。
地元開催だった2006年に続いての世界バスケ出場を目指した日本代表は、なんと10位に終わった。
これは日本代表のアジア選手権における過去最低の成績でもある。

五輪においては、サッカーよりもバスケットが、最も世界中の関心を集める球技であるといって良いだろう。
(バスケもそうだが)球技全般の国際競争力が、五輪招致に影響することを忘れてはならない。

                                 
日本では、1964年の東京五輪をきっかけにして各競技団体が組織化され、多くの球技で日本リーグが誕生した。
ただそのチームは企業チーム、実業団であり、一端不景気になると、「企業の論理」で簡単に廃部されているのが現状だ。
筆者自身は、世界の流れからも、企業チームからクラブへの移行、そしてトップリーグのプロ化は日本のスポーツ界の健全な発展のために必要であると考えている。
その契機となるのは、2016年の東京五輪以外にはあり得ない。
違う言い方をするならば、五輪という大儀名分以外に、ドラスティックなスポーツ界の改革はできないのだ。

東京五輪招致に反対する、あるいは賛成しない人たちに、健全な日本のスポーツの発展のために五輪招致が必要であるという訴え方もあったのではないか。
環境に優しい五輪とか、成熟した都市の再構築といったコンセプトよりも、素直に心に響いたと思うのだがいかがだろうか。 

●参考記事
欧州籠球事情 バスケットユーロ

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January 15, 2008

女子バスケ北京最終予選の組み合わせ決まる

6月にスペインで行われる北京五輪の女子バスケットの最終予選の組み合わせが決まった。
12カ国が4組に分かれ、各組上位2カ国の8カ国がAB,CD組でタスキがけに対戦し、勝った4カ国が出場決定、敗れた4カ国が最後の一枠を争う。

Group A: (15)日本, (26)ラトビア, (17)セネガル
Group B: (42)アンゴラ, (12)アルゼンチン, (9)チェコ
Group C: (4)ブラジル, (58)フィジー, (5)スペイン
Group D: (30)ベラルーシ, (22)台湾, (8)キューバ
( )は世界ランキング

世界ランキング15位の日本は26位のラトビアか17位のセネガルのどちらかに勝たねばならない。
そして、B組の1・2位に入ってくるであろうランキング12位のアルゼンチンか9位のチェコに勝たなければ北京五輪出場はかなり厳しくなってくる。

とはいうものの、女子日本代表が五輪出場権を獲得しても、五輪に派遣されない可能性がある。
2006年にさいたま市で開催された男子の世界バスケットでの赤字問題が発端となり、役員人事を巡って日本バスケットボール協会内で対立が続いているのだ。

JOCは昨年12月、バスケット協会の混乱に対して強化交付金約1100万円の交付取りやめを決定し、今月19日までに人事を正常化できない場合、補助金カットや五輪など国際大会への派遣中止も検討するとの方針を示している。

選手が頭の悪い役員の犠牲になることだけは、避けてほしい。

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August 06, 2007

アジアで8位 男子バスケットボール

徳島市で開催されていた北京五輪アジア予選を兼ねたバスケットボール男子アジア選手権決勝はイランがレバノンを74-69で破って五輪出場権を獲得した。イランは五輪初出場。
2位のレバノンと3位の韓国は来年7月の世界最終予選への参加資格を得た。
一方の日本はカタールに82-86で敗れ、1993年大会の7位を下回る過去最低の8位に終わった。

2006年に世界選手権を日本で開催し、今年の五輪予選も地元開催。
6大会連続で五輪出場を果たしている中国が開催国のため、アジア枠が事実上2あり、バレーボールほど露骨ではないが 日本男子バスケットにとって北京五輪出場に好条件が揃っていた。
ところが史上最低の8位で大会を終了した。
最大の敗因は強化指針が揺れ動いたことだ。

読売新聞は次のように分析している。

協会は2003年春から、クロアチア人のパブリセヴィッチ監督に男子代表を任せた。彼は当時大学生の竹内兄弟ら若手を発掘し、次世代を担うチームを育てつつあった。
だが杉浦良昭強化部長(アイシン部長)ら強化委員会は監督に主導権が渡るのを嫌い、監督の意向とは別に代表候補を選ぶなど、徐々に両者の溝は深まった。昨年9月、世界選手権の敗戦を受け監督を更迭し、後任に杉浦部長の部下であるアイシン・鈴木監督を代表兼務で据えたが、準備期間が短すぎた上、佐古らベテラン頼りのチーム作りは時計を逆回りさせた感があった。今回重要なカザフ戦で、佐古と青野を「体調に配慮して温存した」結果敗れ、開幕3連勝の勢いを止めたのは象徴的だった。
 

ほかにもバスケットボール界は混乱が続いている。
昨年の世界選手権の赤字処理などをめぐって日本バスケットボール協会の混迷が続き、臨時評議員会は4月以降4度続けて流会している。
独立プロリーグの“bjリーグ”とJBLの分裂状態も続く。
協会主導での新プロリーグとなるはずだった“JBL”はプロ3チーム+企業チームのセミプロでスタートする。
また、頼みの女子日本代表も韓国に敗れ、北京五輪の出場権は最終予選までお預けになった。

近年のアジアにおける日本代表の実力をまとめてみた。
4年おきのアジア大会のほかに、五輪と世界選手権の予選を兼ねるアジア選手権が2年おきに開催されている。

1998年の北京アジア大会では今回のアジア選手権をも下回るアジア10位というのもある。
このときは31年ぶりに出場した世界選手権(14位)の直後で主力を欠いたメンバーだったっけ?

1995年の福岡ユニバーシアードではアメリカに次いで2位、97年のリヤドのアジア選手権は韓国に次いで2位、前述のように翌年の世界選手権の出場権を手にした。
この勢いでシドニー五輪の出場を果たすか、2002年の世界選手権のさいたま招致に失敗しなければ、状況は変わっていたかもしれない。

●バスケット男子アジア大会結果
2006年ドーハ大会 ①中国②カタール③イラン④ヨルダン⑤韓国⑥日本
2002年釜山大会 ①韓国②中国③カザフスタンフィリピン④⑤北朝鮮⑥日本
1998年バンコク大会 ①韓国②韓国③フィリピン④カザフスタン・・・⑩日本
1994年広島大会 ①中国②韓国③日本
1990年北京大会 ①中国②フィリピン③韓国④日本
1986年ソウル大会 ①中国7勝②韓国③フィリピン④ヨルダン⑤マレーシア⑥日本

●アジア選手権
2007年徳島大会 ①イラン②レバノン③韓国④カザフスタン・・・⑧日本
2005年ドーハ大会 ⑤日本
2003年ハルビン大会 ⑥日本
2001年上海大会 ⑥日本
1999年福岡大会 ⑤日本
1997年リヤド大会 ②日本

●参考記事
1999年福岡アジアバスケット 五輪の夢またも・・・
招致失敗 世界バスケットの場合

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August 03, 2007

男子バスケット32年ぶり五輪出場ならず、他の競技はどうだろう

徳島市で開催中の男子バスケット北京五輪予選、2次リーグ2組の日本はヨルダンに71―68で勝ったが、カザフスタンが韓国に勝ったため同組3位に終わり、準決勝に進めなかった。
この大会で最上位国に北京五輪出場権、2・3位の国に最終予選の出場権がそれぞれ与えられることになっていた。
東京五輪以降の団体球技の五輪出場権獲得状況をまとめてみた。
8月25日からカザフスタンで女子ハンドボール、9月1日から男子ハンドボールの予選が豊田市で始まり、北京五輪の予選はこれから佳境に入る。

日本よりもほとんどの種目で先にプロ化を果たした韓国、体格に勝るイラン、潤沢な資金で強化を計る中東勢、さらには中央アジア諸国もあり、日本の苦戦は免れない。

▼最も五輪から遠ざかっているのは?

男子のホッケー、最後の五輪参加は68年のメキシコ五輪だから40年になる。出場権を持ちながらミュンヘン五輪には手続きミスで参加できなかった。
来年3~4月に各務原市で世界予選を開催。40年ぶりの五輪出場なるか。

▼一度も五輪出場したことのない競技は?

女子の水球。女子の水球は2000年のシドニー五輪から正式種目になった新しい種目。
日本も過去2回予選突破を目指したが、果たしていない。

▼出場権獲得率が最も高いのは?
女子バレー。女子バレーが東京五輪で正式種目に採用されて以来11回の五輪で10回出場を果たしている。(モスクワ含む)率にして91%。
あれだけ日本有利に予選を開催していれば当然なのだが。

●競技別五輪出場状況 ○は出場権獲得 ×は獲得できず 未は競技未実施 Dは公開競技

     競 技

1964

1968

1972

1976

1980

1984

1988

1992

1996

2000

2004

2008

サッカー男子

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女子

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バスケット男子

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女子

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バレー男子

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女子

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ハンド男子

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女子

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ホッケー男子

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女子

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水球男子

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女子

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野球

D

D

ソフトボール

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June 06, 2007

日本女子最長身選手は197センチ

Q.過去日本で最も背の高かった女性は何センチだったでしょう?

この答えはネットで検索しても意外と出てこない。
記録のある中では、吉川舞さん197センチ。
1980年代にバスケットボールで全日本に選ばれた経験を持つ人物だが、大成はしなかったようだ。

日本人女性で190センチを超えた人は10人程度といわれている。
そのほとんどが、バスケットボール選手か、バレーボールの選手だ。

小学校の頃既に190を超え、バレー界のダイアモンドの原石といわれた河村めぐみは193センチあったが、22歳でNECバレー部を退部、現在はモデルをしている。
現在はパイオニア所属で、NECにもいた栗原恵は公称186センチだが、実際には190センチ前後はあると囁かれている。

NEC時代 河村と並ぶと確かに少し低かったが、全日本で、高校の先輩でもある宝来眞紀子(187センチ)と並ぶと、栗原の方が間違いなく高いことが根拠となっている。

現在の日本女子スポーツ界で最長身はバレーボールPFU所属の塚原佳代子193センチ、2番目がバスケットボール山田久美子192センチだ。

名古屋短大付高(現桜花学園高)からその傑出した長身ぶりが有名だった山田も28歳。
高卒後シャンソン化粧品に入社するも、当時のシャンソンは選手層が厚く、2001年に日立ハイテクノロジーズに移籍、ここで花が開き、昨年移籍したJOMOではを3年ぶりの優勝に貢献、日本代表入りを果たした。

現在、韓国の仁川で北京五輪の出場権を賭けた女子バスケットのアジア選手権が開催中だ。
北京五輪のアジア予選を兼ねたこの大会、いくつかの点でこれまでのアジア予選とは異なる。4年前のこの大会では五輪のアジア代表国3、8年前の大会では1を決めた。
この大会が五輪への唯一無二の大会だったのだが、今回、この予選で北京五輪出場権が得られる国は1、他の上位2カ国は世界最終予選への出場が決まる。
また、当然ながら北京五輪開催国の中国は既に出場権を持つため、五輪、世界予選へのキップは中国を除いて争われる。

6月3日 日本72―67中国
1次リーグ初戦で中国を72―67で破る好スタートを切った。若手中心の中国に前半は同点で折り返したが、後半はセンター山田久美子が両チーム最多の20得点を奪うなどリードし、2001年東アジア大会予選ラウンド以来6年ぶりの勝利を飾る。

6月4日 日本104-44タイ

6月5日 日本67-58台湾
日本は台湾に勝ち、通算成績を3戦全勝として9日の準決勝進出を決めた。
昨年のドーハ・アジア大会の準決勝で敗れた台湾に対し、日本は序盤に堅守で流れをつかみ、山田久美子と大神雄子の連係を軸に攻めた。

今日6日は韓国との全勝対決がある。
まだ1次リーグとはいえ、一度は日本国籍だった200センチのセンター河恩珠を擁する日韓戦は楽しみだ。

<6月7日追記>
6月6日 日本68-90韓国
日本は序盤で相手の3点シュート攻勢を許して劣勢に。攻撃も大神らが相手の厳しい守りの前に精彩を欠き、完敗した。

●2004年女子バスケットアジア選手権(於仙台)
1.中国
2.日本
3.韓国
4.台湾
(上位3カ国が五輪出場権獲得)

●2006年ドーハアジア大会女子バスケット
1.中国
2.台湾
3.日本
4.韓国
韓国はベテランを外し、若い選手で固めていた。

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